聖地巡礼のバイク旅

-Leave the destination to the wind-

MENU

「寺社巡りツーリング」伊賀国一之宮・敢国神社


天川村をもう一回、走ってみたかったが

体育の日を含む10月の3連休。この初日と二日目に和歌山県南部にある熊野に行こうと思っていた。
熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、いわゆる熊野三社に加えて、熊野那智大社の隣にある青岸渡寺(西国三十三か所巡礼の第一番札所)を詣でようと計画していた。

通るルートは、天川村から十津川村を通って熊野に抜けるルート。つまり自宅のある東大阪から真っ直ぐ南下するルート。
一泊するので、初日はゆっくり移動日に充て、二日目の朝から4カ所を回る予定にしていた。

実は、僕は企業や団体職員の人材育成のお手伝いを仕事にしている。先日、天川村(天河大弁財天社)に行った時の感動を仕事先で話したところ、受講者の中に天川村の住民の方がいて、その方がすごく喜んでくれた。

そして、また必ず天川村に来て下さいと言って下さった。
さらに、その時に偶然持ってたという事で、ご当地産の有名な胃腸薬「陀羅尼助」を僕に下さった。


この薬、とても苦いのだけどよく効く薬で、子どもの頃、腹痛を起こした僕に母が良く飲ませてくれた。
IMG_0840


義理というつもりはないが、その事もあって、もう一回、天川村を走ってみたくなった。
そして、十津川を抜ければ熊野は目の前だ。
このツーリングを思い描いてたのだが・・・



しかし、天気がそれを許さなかった

 

結局、南紀の天気予報は1週間前から変わらず、金曜日の段階で初日(土曜日)と2日目(日曜日)は雨という事だった。
天候と喧嘩しても仕方無いし、ならば別の計画を立てるしかない。

しかし、天川村から十津川へのルートは寒くなると道路凍結の可能性があり、バイクで行くには期間が限られる。
日曜日の午後からは天気が回復する予報なのだが、日曜日の夜は地元の秋祭りの準備寄り合いで出かけるわけにはいかない。

何とか今年中に行ってみたいのだが、その時間が取れるかどうか・・・
結局、月曜日の日帰りプチ巡礼ツーリングが現実的な選択肢となった。



気候が一変した月曜日

朝、目が覚めて空気の違いに気付いた。
「涼しいというより寒い」

しかし、空は晴天。これ以上ないくらい。
絶好のツーリング日和と言うべきだろう。

 

ただ、どこへ行くかを決めていなかった。

西国巡礼に関しては京都市内の4カ所を早々に終わらせたいが、京都市内はいつでも行けるという気持ちがあり、3連休の最終日の京都市内の混雑は簡単に予想できる。

また、朝から風が強そうだったので、高速道路を使わないといけない場所は避けたい。
そこで思いついたのが、伊賀国(三重県)一之宮である「敢国神社」参拝だった。



一之宮に関しては、畿内(近畿)は全て参拝を終えているので、その周辺地域となると西は岡山、北は京都や兵庫の北部となりいずれも高速道路利用は不可欠。

 ▼赤い線で囲ってあるのが、既に参拝させて頂いた一之宮
一宮2

それならば東ということになり、伊賀・伊勢(ともに三重県)が目先の目標となる。



ということで伊賀上野へ

出来れば、伊勢にも足を延ばしてみたかったが、前日の深酒のお蔭で出発時間が遅くなったので、この日はきっぱり1カ所に留めることにした。
往路で選んだルートは国道307号線。とりあえず枚方までは北上し、そこから東へ向かう道。
ルート

京都府の南部を横断し、滋賀県の南部に入り、最終的に三重県へ南下するルート。
この「敢国神社」は三重県にあるが、京都や滋賀との県境に近い場所にある。

京都の南部の道は近年しっかりと整備され、走りやすくなっている。そして、お茶で有名な宇治市内を通るのだが、バイクでお茶畑の中を走ると何ともいい香りが楽しめる。

そして滋賀県は信楽地方を走るのだが、ルート沿いにご当地名物の信楽焼のタヌキ君たちが何とも言えないユニークな表情で出迎えてくれる。

こんなことを目的にしながら選んだのがこのルート。高速を使わないゆっくり旅だ。
この道中もビデオにまとめてみたので、よかったら見てください。
 





そして伊賀上野に到着

伊賀国一之宮「敢国神社」は実は国道25号(通称・名阪国道)の「伊賀一之宮IC」からすぐのところにある。
つまり、この道で来た方が明らかに速いのだが、近畿自動車道・西名阪自動車道・名阪国道の順に通ってくる必要がある。

前述の通り風が強い日だったので高速は避けたいし、名阪国道は自動車専用道路なのだが事故が多い道として有名。そんなこともあって、この道を選択しなかった。

さてこの「敢国神社」に到着して駐車場にバイクを停めたら、こんな注意書きが目に留まった。
いかがですか? ユニークでしょ。

 

PA100040

何とも言えない微笑ましい気分のまま参拝をさせて頂いたが、鳥居の朱色と空の青のコントラストが素晴らしく、ホントに良い日に参拝が出来て良かった。
PA100049


ご祭神は
 主祭神・大彦命(おおひこのみこと)
 配神・少彦名命(すくなひこなのみこと)と金山比咩命(かなやまひめのみこと)

社伝では658年の創建となっている。

PA100057

PA100055

PA100052

PA100051

PA100060
 




帰り道にて

帰路は、伊賀から大阪までほぼ真っ直ぐ西へ向かう国道163号線を選んだ。
その前に、伊賀上野城を外から見て、さらに日本三大仇討ちの一つに数えられる「鍵屋の辻」の史跡にも寄ってみた。
(ちなみに、仇討ちの他の二つは、「忠臣蔵」と「曽我兄弟の仇討ち」)

歴史や時代劇が好きな方なら「荒木又右衛門」という名前をご存知だと思うが、その仇討ちの場所に記念碑と資料館があって、そこを見物させて頂いた。
PA100077


さて、帰路の話に戻るが、通ったのは大和街道とも呼ばれる道で、名阪国道を通るのを嫌がる人でこの道を選択する人は多い。
アップダウンも極端ではなく、快適に走れる道だという記憶から選択したのだが、大きな落とし穴が待っていた。

それは(後で分かったことだが)笠置大橋のやや西側で乗用車が事故を起こしていたのだ。
右前部を大破する大きな事故の様だった。(単独かどうかはわからない)

 ▼この先の下り左カーブで事故車が止まっていた
PA100080

片側1車線の道の一つが塞がれているので、警察の指示により残った1車線を交互に通行する状態。
この日のこの時間帯は東から西へ向かう交通量は逆に比べて半端なく多い。

そんな中での事故は長い長い渋滞を招いていた。
これも後で調べてみると3kmくらいはあったんじゃないかと思う。

幸いにも僕はバイクで、またこれも幸いにもこの区間だけバイクなら走れる側道があって、かなりショートカットすることが出来た。
これが無かったら、この渋滞を抜けるのに相当な時間がかかったのではないかと思う。

事故の当事者は勿論故意ではなかったと思う。
しかし、行楽帰りの車列にとって何が起きているか分からない状態での完全停止状態。
迂回するにも道はないし、Uターンも困難。
これは本当に辛かったと思う。

バイクは勿論だが、乗用車を運転する時も絶対の安全運転を心掛けようと改めて思った帰路だった。


(終わり)



この記事の目次

[:contents]