聖地巡礼のバイク旅

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「寺社巡りツーリング」奈良・天河大弁財天社へ



「天気予報に罪はないのだけれど」


前日(土曜日)は、関西は晴れの予報だったが、奈良の山の中(ゴルフだったので)は、時々雨が降るややこしい天気だった。
しかし、土曜日の予報では晴れの予報だったこの日(日曜日)も、朝になると関西一円の予報は曇り時々雨。降水確率は5~60%となっている。

「一体、どないなってるねん」とボヤキながら、ただ色々考えていても仕方がないので、出発することにした。こんな時の為にバイクを買う前にRSタイチのレインウェアも買ってある。

 

行き先は、予め天川村(天河大弁財天社)と決めていた。比較的降水確率の低い、京都・滋賀方面も頭を過ぎったが、やはり予定通り天川村を目指すことに。
出発は、天気予報のおかげで遅れに遅れ、午前11時。

ルートは、近畿道を南下、南阪奈道路から奈良に入り、葛城から京奈和道でさらに南下。
そこから吉野に抜けて大峯山系の麓を走り、天川村へ入る道を選んだ。
ルート



「ツーリングは白バイ先導から始まった」

近畿道の料金所を通るとすぐに「異変」に気づいた。

高速道路では珍しく、白バイが走っている。その後ろを1台のバイクが続き、さらにその後ろには乗用車が大きな隊列を組んでいるかのごとく続いている。

 ▼正面が白バイ。走りに安定感と安心があってカッコいい
往路1

僕は、その一台のバイクを挟んで白バイに続くことにしたが、時速は80km。僕にとっては快適なペース。これなら横風も全くと言っていいほど感じない。後ろの車たちはイライラしてただろうけど。

そして、全ての車が制限速度を守って走ったら事故は激減するだろうとも思った。警察が速度の取り締まりをする意味がよく分かる。

さてこの後、天川村に到着するまでの走行シーンをビデオに収めているので、良かったら見てください。



「吉野川を越え、天川村までの道」

東大阪から天川村までは約1時間半の道のりだった。御所(ごせ)からは国道309号線をひたすら南下することになるが、吉野川(吉野川とは通称で正式には紀ノ川)を越えると風景と空気が一気に変わる。

さらに下市町、黒滝村あたりの山道を登っていくと明らかに気温も変わってくる。
コンビニなんて全くなく、黒滝にある道の駅にあるコンビニがこの辺りの唯一のコンビニかもしれない。

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ここから二つの長いトンネル(寒い!)を越えると、天川村に入り、村内で唯一の信号である川合交差点を左(国道309号)に行くと大峯山の麓になる洞川(どろがわ)温泉郷に行ける。

 ▼川合交差点: 左へ行くと洞川温泉郷、右へ行くと天河大弁財天社方面
川合交差点


「どろがわ」という名前だが、極めて綺麗な清流の街で大峯山に向かう修験者や観光客で賑わう街。
小学校の林間学校でここに来たことを明確に覚えている。

真夏にここにきて宿泊し、大峯山に登った。ものすごく長い道のりで、最後に我々を待っているのが、「覗き」という修行。

断崖絶壁に上半身を出され「親や先生のいう事を聞くか!」と怒鳴られる。無論、体はロープに括られているが、怖いなんてもんじゃない。「ハイ!」と言うしかない。

こんなこと、今でもやっているのだろうか。今の価値観なら体罰とか、イジメという部類に入るのではないかと思ってしまう。




「そして天河大弁財天社へ」

さて、僕の今回の目的地は洞川でも大峯山でもない。
さっきの川合の交差点を右へ入り、県道を天河大弁財天社へ向かう。
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この道沿いにも美しい川が流れる。この川の名前は「天の川(てんのかわ)」。
ここもやはり清流という言葉がぴったりの美しすぎる川である。
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洞川も天の川も共に大峯山から流れ出る霊水であり、アユやイワナの釣り場としても有名。
この天の川はこのまま奈良県内を流れ、やがて十津川と名前を変え、最終的には熊野川となり太平洋に流れ出る。
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天河大弁財天社は川合交差点からすぐのところにある。
日本三大弁財天の一社に数えられ(諸説あるようだが)、最近ではパワースポットとして多くの参詣者が集まる。
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「小説の舞台にもなった神社」

ここ天河大弁財天社は、内田康夫先生の推理小説「天河伝説殺人事件」の舞台にもなった。
映画化、テレビドラマ化されたので、画面を通じてこの神社を知っている人も多いのではないかと思う。P1000144

浅見光彦ファンの僕としては、「浅見先生」がこの地を訪れただけでも身震いするのだが、偶然なのか、神様のお導きなのか、この参拝の翌日、ケーブルテレビで速水もこみち主演の「天河伝説殺人事件」が放映されていた。今、このブログをそのドラマを見ながら書いているのだ。
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この神社の主祭神は、「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)」であり、この市杵島姫命は辨財天としても信仰されている。 事実、鳥居には「大弁財天」と記されている。
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他に、熊野坐大神、吉野坐大神、後醍醐帝など南朝四代天皇の御霊、神代天之御中主神より百柱の神が配祀されている。
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市杵島姫命(=辨財天)ということなので、財を司る神様としての御神威ともう一つは芸能の神様としての御神威もあるということで、現在も芸能関係の参拝が多いようである。

 ▼能舞台のような拝殿。この日は団体の参拝客が来ていた。
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 ▼龍の口から出る水の勢いがすごいと評判の手水舎
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「五十鈴」

 

この神社の独自の神器である五十鈴。
この五十鈴がどのような経緯でこの神社に至ったのかはよく分からないが、天の岩戸隠れにつながる神器であるようだ。
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この五十鈴のレプリカが様々な形で頒布されている。
我々が手にすることが出来るのは、最高額で純金の五十鈴(やく10cmらしい)が30万円。
一番安価なのは、僕が買った根付の五十鈴で、2500円(3cm位のもの)。
五十鈴

早速、キーホルダー代わりに使っているが、この音色が素晴らしい。
神社などで巫女さんが鳴らしてくれる鈴に近い音がする。

この音を聞くと、本当に心が安らぐ気がする。

普段、神社や寺院を参拝しても御朱印は頂戴してもお守りなどは買わないことがほとんど。
しかし、この五十鈴だけは何としても買って帰りたいと思ったのも神様とご縁だと思っている。



「帰路にて」

天河大弁財天社を辞したのは、午後3時頃。
このまま真っすぐ家に帰るのも何か寂しいし、そもそもこの天川村には、温泉がたくさんある。

たしか天の川温泉が近くにあると聞いていたので、ちょっとひと風呂浴びて帰ろうかと思ったら、現在は改修中で休館してるとか。
残念だが仕方ない。

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そう思いながら帰路についたが、ふと目についた「栃尾観音堂」と「丹生川上神社下社」に立ち寄ることになった。
これも神様のお導きとしか思えない、不思議なできごとがあった。
この話をすると話が長くなるので、これは別の機会に書くことにする。


今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
(終わり)




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