では、さんふらわあ新造船のインプレ後編です。
前編の最後に、プライベートベッドのコスパは最高と書きました。
後編の最初にその根拠を示してみたいと思います。
コスパは最高を超えているかも
まず、大阪南港から鹿児島・志布志港までの料金の話をしてみたいと思います。
なお、料金の話は、まず前提として、弾丸ツアーの割引が反映されていますので、通常の正規料金とは異なることを申し上げておきます。
ちなみに新幹線で新大阪から鹿児島までは、片道約22,000円(4時間)です。
自走で鹿児島まで行けば、高速料金(休日・夜走行・ETC)だけで片道約10,000円。
つまり、プラス燃料代がかかります。そして、自走の場合、休憩を含むと所要時間は15時間程度かかります。
もうひとつの比較として、僕がよく利用する「和歌山~徳島」のフェリー。
所要約2時間でバイク搬送料金を含め片道4,000円です。
この場合、普通座席か床の雑魚寝となります。
これらを単純比較することは適切ではありません。
そして料金だけの問題ではなく、そこにどれだけの価値があるかが問題です。
でも…
- 距離に対する料金
- 部屋の確保など快適性に関する料金
- 寝てる間に現地到着という時間効率性に対する料金
などの視点で総合的に見てみると、さんふらわあの船旅ってコスパ良すぎませんか?
さて、今回、このコスパについて再認識することになったのはやはり「プライベートベッド」の快適性によるところが大きいのですが、そのインプレを次に書いてみたいと思います。
充実したプライベートベッド
改めて、今回、僕が利用したのがプライベートベッドです。
カプセルホテルのイメージと言えば分かりやすいと思います。
キャビン4つが一つの空間に纏められてて、一つの部屋には16人が寝ることになります。
2年前の肝付町ツーリングの時もこのプライベートベッドを使わせて頂いたので、だいたいのイメージは持っていましたが新造船は全く違いますね。
以前と比べて比較にならないくらいプライバシーと快適性が確保されています。
加えて、内部が充実しています。
まずはテレビ。
寝転んで、ちょうど見やすい高さにテレビモニターがセットされています。
離岸したら、普通の地上波が映らなくなりますが、着眼するまでBSがしっかり映ります。これは有難いですね。
僕は身長184センチですが、プライベートベッドのキャビンの長さは十分でした。
足元にバッグを置いても長さに対する窮屈さは全く感じませんでした。
次に、起き上がって、長座位(足を延ばして座る)を取った時も頭が上に閊えることもありません。つまり十分な高さです。
左右の広さは、諸元では幅85センチとなっていますが、寝返りを打つにも十分の広さでした。
狭いと感じることはありませんでした。
そして室内には分かりやすい位置にコンセントがあって、携帯やメガネなどを置く小さな棚も壁に設置されています。
あえて問題を挙げるとすると、他のキャビンとの仕切りは薄いカーテンだけだという事でしょうか。
他のお客さんのイビキはしっかり聞こえます(笑)
ただ、キャビン間には一定の距離があることとって、わずかながらエンジン音も聞こえるので、あまり気になりませんでした。
なお、このプライベートベッドとはどんな部屋かを知るには、この映像を観て下さい。
これは、昨年の10月に放送された「Like a Wind 九州おんせん県おおいたツーリング編」です。
"サザキヒロシさん"と"きのせひかるさん"が、神戸~大分航路の“さんふらわあ”のプライベートベッド室をインプレしています。
神戸~大分間の“さんふらわあ”と志布志航路の“さんふらわあ”とのプライベートベッド室のつくりは酷似しているので、参考になると思います。
プライベートベッドはベストチョイス
さらに以前と比べて変わった点を書いておきます。
それは部屋のセキュリティ。
カードキーを用いて入室する仕組みになっています。
プライベートベッド室は、個人旅行の場合は相部屋と同じなので、部屋に入ってしまえばプライバシーはやや薄れますが、でも無いよりは遥かにまし。
男女で部屋自体が分かれているので、特に女性の乗客は安心ですよね。
寝ぼけたり、酔っぱらったりで部屋を間違える可能性も低くなりますし。
あと、コインロッカーの充実も特筆もの。
プライベートベッド室のエリアには実質ゼロ円のコインロッカーが多く備えられています。大きなボストンバッグでも楽に入りそうな大きさです。
確かにプライベートベッドのキャビンの中には荷物を置く限界がありますが、このコインロッカーを併用すれば、むしろ便利かもしれません。
こんなところにも乗客の利便性を考えた細やかな配慮がうかがえました。
充実さを増したレストラン
レストランもかなりの充実度です。
まずは入り口から高級感が漂っています。
レストランの形式は以前と変わりなく、ビュッフェスタイルです。
ちなみに、夜は単品テイクアウトのサービスもありました。
それでも食事の種類や美味しさはグレードアップした感じ。
ホテルのバイキングなどと同じような高級感のある盛り付けで食欲をそそります。
さらに衛生状態もしっかり確保されているように感じます。
ビュッフェのエリアも、メイン食材、サラダ、ごはん、デザートの各ブースが適度に分散されているため、混雑することはありませんでした。
せっかくなので、お肉、魚(刺身)など万遍なく、バランスよく食させて頂きましたが、味はもう十分。
ちなみに朝食も同じバイキング方式です。
さすがに夜のようにお肉や刺身はありませんが、豊富なメニューが揃っていました。
僕が美味しいと感じたのは”お粥”。
お粥に岩のりを入れて食べたのですが、とっても美味でした。
僕は控えめに食べた方だと思います。
これに食前の野菜ジュース、食後のフルーツ・ヨーグルト・コーヒーを加えての620円
安いですよね~
なお、さんふらわあの食事で絶対に食べて欲しいのがカレー。
人気商品のようでレトルトのカレーは船内ショップでも販売されています。
絶品です。間違いなく美味いです。
もしお腹いっぱいになっていたとしても、「締めカレー」は外しちゃだめですよ(笑)
朝食でも用意されていましたよ!
レストランインプレの最後は、テーブルの話です。
4人掛けのテーブルに加え、2人用のテーブルが増えていたり、さらに僕のような一人旅向けのカウンターテーブル(窓の向いて座る)があるのはホントにありがたいと感じました。
展望浴室
話の順番はかなり逆転するのですが、さんふらわあに乗船して、まず向かうのは浴室。
これは定番行動ですよね。
この浴室もかなり改善されていました。
まずは、入り口は広く、履物の置き場もしっかり確保できます。
そして、入り口近くにシャワールームがあって、その奥が脱衣場です。
この脱衣場のスペースもしっかり広くて、「ええ年したおっさん同士が濡れた体をこすり合う」ということからは完全に開放されます(笑)
浴室内の洗い場の間隔は広いとまでは言えませんが、普通に洗うのには十分なスペースがあります。
しかもセパレーターがあるので、体を洗う時の隣との干渉も心配なしです。
さすがに浴室の写真を撮ることができなかったので、インプレはこの辺にしときます。
特筆は浴室の脱衣場が広いことです!
すごいぞ、新造船!
では、「新造船 さんふらわあ さつま」のインプレはこの辺で終わることにします。
簡単に言うのは嫌なのですが、
まさしく「海上の高級ホテル」です。
大きくて、広くて、素晴らしい快適性が確保されています。
ホント、素晴らしいの一言に尽きます。
また近々に乗りたいです。
大隅半島、行きたいところがまだまだありますから。
まだ乗っておられない方には、ぜひ乗って欲しいです。
僕が保証する話でもありませんが、絶対に失望させない自信があります!
それに、移動の為に使うのがフェリー本来のミッションなのでしょうが、この船に乗ること自体を目的にしてもおかしくないと思いましたね。
改めて整理すると、
「安価、ラクチン、快適、時間の有効活用」
この4つが揃うさんふらわあの船旅。
関西からの九州ツーリングは、これでキマリですね。
(第4話 おわり)