聖地巡礼のバイク旅

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短編20「宝塚歌劇・雪組公演」

日常の出来事を「短編」と称して書き始めたのが去年(2022年)の8月だが、今回で20回目となった。

短編と言いながらも決して短い文章ではないし、他愛もないプライベートな話にお付き合い下さっている皆さまには心からの感謝を申し上げたい。

 

さて、その記念すべき20回目は、宝塚歌劇を観て来た話を綴っておきたいと思う。

今年の7月にひょんなことから初観劇した宝塚だが、2回目の観劇の機会に恵まれた。

そして、それは前回にも増して感動した1日となった。

 

 

最初は宝塚に偏見を持っていた

今年7月に娘の代理として生まれて初めて宝塚歌劇を観劇したのだが、この時のことはブログに書いたので、良かったらご覧いただきたいと思う。


娘は、数年前に友人のお母さんからの影響を受けて今や大の宝塚ファンだ。

ただ、宝塚のチケットをゲットするのは大変らしい。

友人たち(宝塚仲間)とあの手この手を尽くし、色々工夫してチケットを入手しては大劇場に足を運んでいるし、その仲間の輪も広がっているらしい。

 

そして娘は自分の母親(つまり僕の妻)をも巻き込み、さらにその余波は僕にも押し寄せた。それが今年7月の観劇に繋がった。

あの時「一生に一度くらいは宝塚を観ておいて損はない」と思って妻に同行したのだが、その判断は正しかったし、あの感動は僕の拙い表現ではとても言い表せるものではなかった。

行って良かったと心底そう思ったし、もしまだ宝塚を観劇したことはないという方にはぜひご覧になることをお勧めしたい。(無論、嫌いな方にお勧めすることはしないが)

 

余談だが、実は長い間、僕には「ヅカファン」に対する偏見のようなものがあった。

その偏見とはどういうものかを上手く説明するのはとても難しいのだが、端的に言うと、ヅカファンとはオタクのようなものだという先入観があったことと、そこ(宝塚)にハマり過ぎて散財してしまわないかという類の危機感のようなものだった。

ただ、妻と娘、そして彼女たちの宝塚ファン友らを見ていて極めて健全だと思ったし、その心配はいずれも杞憂だったと断言できる。そして、そんなネガティブな気持ちを持ってしまったことを詫びたいと思う。

むしろ今では、宝塚ファンの皆さんは上品でルールをしっかり守る人たちで、「推しとはこうあるべし」の模範でもあるとも思っている。

 

 

娘が段取りしてくれたチケット

こんな経緯で、僕は少し宝塚に興味を持ち出した。

そして、そんな僕を観察していた娘は、今年10月15日の僕の誕生日のお祝いとして、その日の宝塚・宙組公演のチケットを妻とのペアで贈ってくれた。

ただ、10月15日は地元の行事でどうしても外すことが出来ず、結局は妻と娘の二人で行くことになったのだが、宝塚で起きた不幸な出来事が影響してその公演事態が中止となってしまった。

 

この時、娘としては父親に別の公演を見せてあげたいと思ったのだろう。

その代替プランとして今回(12月2日)の公演チケットをプレゼントしてくれた。そして妻と二人で雪組公演を観劇することが出来た。

本当に娘には感謝しかない。

 

 

 

宝塚は2つのショーで構成される

僕のような素人さんのために念のために申し上げておくと、宝塚の公演は2部構成である。

第1部がミュージカルで、第2部がレビューと呼ばれる「時事や季節などの話題の出来事などを歌とダンスで綴った舞台」となっている。

今回、僕が観劇した雪組の公演は、第1部が『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』というミュージカルで、第2部は『FROZEN HOLIDAY』と名付けられたクリスマスをテーマにしたレビューだった。

 

ちなみに今年7月に観た花組公演は、「鴛鴦(おしどり)歌合戦」という時代劇だった。

これは1939年に制作された日本のオペレッタ時代劇映画をオマージュした作品で、トップスターの柚香光さんの粋な演技、トップ娘役の星風ひかるさんキュートな姿に惹かれ大いに堪能させて頂いた。

ただ、これは時代劇であったことが少し残念ではあった。

僕にとって宝塚のミュージカル作品のイメージとは「ベルサイユのばら」「ロミオとジュリエット」「風と共に去りぬ」など、西洋を舞台にした物語だったので、機会があれば一度はその西洋もののミュージカルを観てみたいと思っていた。

そんな折での娘からのプレゼントだったので、とても嬉しく、この日が来ることを楽しみにしていた。

 

 

第一部のミュージカル

第一のミュージカル『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』とは、『名探偵シャーロック・ホームズ』シリーズの著者として知られる英国の作家サー・アーサー・コナン・ドイルの半生を奇想天外に描いた物語である。

 

この公演の面白いところは、架空の人物であるシャーロック・ホームズがこの劇中に登場してくるところだった。

例えとして適切かどうかは分からないが、推理作家・内田康夫さんの半生を描いた物語に浅見光彦が登場してくるといった感じだろう。

このドイルとシャーロックホームズとの関係性が実に愉快だったし、ドイルと出版社の編集長とのやり取りも面白く、時が経つのを忘れた1時間半だった。

もちろん、ドイル役の彩風咲奈さん(雪組トップ)、その妻は夢白あやさん(トップ娘役)の演技が素晴らしかったことは言うまでもないが、シャーロック・ホームズ役の朝美絢さんも素敵だった。

 

この役を与えられるということはトップに近い立場であるのだろうが、この人(朝美さん)の美しさは際立っていたと思う。

そして、個人的には惹かれたのは出版社編集長役の和希そらさん。残念ながら和希そらさんは来年2月に退団するそうだが、その最後の出演を観れたことは幸運だったと思う。

 

 

レビューが圧巻だった

そして、圧巻だったのがレビュー『FROZEN HOLIDAY』だった。

 

どのような内容なのかは、宝塚の公式ホームページから引用させて頂く。

100周年を迎える秘境のホテル“FROZEN HOTEL(フローズン・ホテル)”に、素敵な冬の休日を過ごそうと世界中から宿泊客が集まってくる。
このホテルには100年に一度花を咲かせるという“雪の花”があり、その開花を見た恋人たちは、永遠に結ばれるという。
スペクタキュラー・シリーズ第6弾は、クリスマス・イヴから、ニュー・イヤーにかけての沢山のときめきが詰まった「冬の休暇」をテーマに、ホテルでの楽しいひと時を描く、ラグジュアリーな雰囲気のレヴュー作品です。

 

7月に観た花組公演のレビュー「Grand Mirage」も良かったけど、今回の『FROZEN HOLIDAY』は、クリスマスをテーマになっている。

有名なクリスマスソングが次々に演奏されることや、そもそものストーリーが明確だったこと、そし「演者がステージから降りて通路に並んで観客を魅了する」というサプライズもあり、もう圧巻だった。

心を鷲掴みにされたと言っても過言ではない見事すぎるステージだったし、今このブログを書いていて、このレビューだけでもいいのでもう一度観たいという衝動に駆られている。

娘にはDVDを買うように(それは父が支払う)と言ってある(笑)

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後部席の方、ごめんなさい

今回の座席は1階席で前から19列目だったが、やや右手だった。

それでも宝塚大劇場の座席はどこからでもステージが上手く見えるようになっているようなので、不満はない。(下の写真は最後方から撮ったもの)

ただ、ご覧の通り宝塚大劇場の座席の角度は前方から後方にかけて緩やかである。

おそらく、どの席から見ても観客を魅了できるように計算し尽くされた絶妙な設計なのだろうとは思う。

観客の殆どが女性なので、これはこれでいいのかもしれないが、僕のような身長180cm超えの大柄な男性が前に座られると後ろに座っている方は迷惑だったのではないかと少し心配している。

前回の時は、最後方の座席だったので後ろを心配する必要は無かったが、今回は後ろに人が座っている。

ちょっと気を遣って、少し腰をずらし頭を低くして座ったが、途中で腰が痛くなってレビューからは普通に座ることにした。

いずれにしても、「前のめりになると後ろの方が見えなくなるので、着席中は背もたれに背中を付けてください」とのことなので、その通り深く腰を掛けることがルールでもある。

というわけで、僕の後ろに座っていた方は前方が見づらかったかもしれない。少し申し訳なく思っている。

 

 

後記

さて、今回も大いに楽しませてもらった宝塚の観劇だが、こうなると次はいつなのかが気になる所でもある。

 

さすがに父親としてはいつまでも娘に依存するようではダメなのだが、僕がご機嫌にしている姿を見た娘は2月の花組公演「アルカンシェル」をプレゼントしてくれるらしい。

トップの柚香光さん、そして娘役トップの星風まどかさんは、2024年5月の「アルカンシェル」東京公演千秋楽をもって宝塚歌劇団を同時退団するらしいので、これが見納めとなる。

チケット入手は困難を極めるだろが、今からその日が楽しみだ。

 

 

(追記)

先日、宝塚歌劇団・宙組に所属しておられた団員さんが亡くなった。

世間の注目を集めていることは承知しているが、僕はそれがどのような経緯で起きたことなのかを知る立場でもないし、人の尊厳に関わることなのでむやみに話題にすることは控えるべきだと思う。よって、今回のブログを書くにあたってこのことには触れておくべきか少し悩んだ。

ただ、将来を夢見た若い命が失われたことは確かであり、そのことで多くの人が哀しみの底にいることも事実だ。

一人の宝塚歌劇ファンとして、静かにご冥福をお祈りしたいと思う。

 

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