聖地巡礼のバイク旅

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巡礼ライダー、ハーレーに乗る!

「巡礼ライダー、ハーレーに乗る!」というタイトルを付けるほどの大げさな話ではないのだろうけど、事実上、初めてハーレーダビッドソンに乗る機会を得たのでブログに書いてみようと思った。

今回乗ったのはファットボーイ・エボという車種で、時間にして約3時間、距離にして60kmほどだったが個人的には思い出に残る半日となった。

 

 

まずは親友の話から

ことの経緯を話す前に、僕の親友・IWTくんのことを紹介したい。

彼とは同い年で、母親同士が知り合いだったという縁で2~3歳の頃から一緒に遊んでいたらしい。

つまり僕にとっては(彼にとっても)生まれて最初にできた友達で、以来半世紀を超える付き合いだが、最も心を許せる大切な友人だ。

そのIWTくんは、バイクを3台を所有している。

古い順に

  • ハーレーダビッドソン・ソフテイルカスタム(FXSTC・写真左)
  • カワサキ・ゼファー1100(写真右奥・ガレージの中に写っている)

そしてつい先日、2台目のハーレーとなる、ファットボーイ・エボ(FLSTF・写真右)を増車した。

 

IWTくんは、普段からそんなにガッツリ乗る人でもないのだけど、僕も知らぬ間にバイクが変わっている or 増えていることはよくある。

数年前、カスタムに数百万円かけたゼファー1100(先代)を手放したかと思うと、「Z900RSを買ったから納車に付き合え(ディーラーに乗せていけ)」と言われたことがある。

数年前のZ900RSの納車式

しかし、それから数か月たったある日、「Z900RSを売って、またゼファー1100(当代)を買った」と連絡があった。

つまり上の写真のZ900RSはすでに所有していない。まったく金の使い方を間違えてはいないか?と思える奴である。

そして先日、しきりに「(自分の)ガレージに来てくれ」というので出向いてみたら、この3台目のバイク(ハーレー・ファットボーイ)を紹介されたという次第だ。

 

さすがに呆れた僕は、「なんで同じようなバイクを2台も買うねん? 金の無駄遣いちゃうんか」とか「オレやったらこの3台目はオフ車とかモンキー125とかにすると思うけどな」と感じたが、こんなことを言う僕は、”浪漫というものがわからない無粋な奴”らしい(笑)

 

 

彼からの依頼

さて、彼が僕をガレージに誘った理由は、このハーレー・ファットボーイを僕に見せたかったことが主たる要件ではなく、実は別に”ある大事な話”があったようだ。

IWTくんのガレージでファットボーイにまたがる僕

 

その彼の話とはこんなことだった。

「SNSで知り合った広島県在住のハーレーオーナーさん(以下、広島オーナーさんと記します)が大阪に来ることになった」

「その人は大阪南部にあるライダーズカフェに行きたいらしく、一緒に行きませんかと誘われている」

「しかし俺はまだその人とは会ったことがなく、二人で会うのは何となく不安だ」

「ついては、俺のハーレー(FXSTCでもファットボーイでも)をお前に貸すからお前も一緒に来ないか?」

 

上記を読んでい頂ければお分かりのとおり、早い話が「自分一人じゃ心細いから広島オーナーさんとのハーレーツーリングに付き合ってくれ」ということだ。

 

しかし僕は、ハーレーには全くと言っていいほど興味がないし、正直なところ怖くて運転できないという印象だった。

以前、少しだけIWTくんのFXSTCを数百メートルだけ運転させてもらったことがあったが、ハンドルの位置や足を前に投げ出すスタイルに加え、あの振動・あの熱・あの音が好きになれず、「やはり俺にはハーレーは合わない」と思っていた。

そこで、迷うことなく「嫌や」と断った。

 

 

奥の手に釣られた僕

親友を相手に冷たいことを言う奴だなと思われるかもしれないが、親友ならばこそ嫌なものは嫌とはっきりした方がいいと思ったから断ったのだけど、僕のこの対応を見越していたのか、彼はある奥の手を出してきた。

 

「買ったんはいいねんけど、まだ一回しか使ってないヘルメットがあるねん」

「お前(僕のこと)は普段からフルフェイスよりジェットをかぶっている時の方が多いやん?」

「これ、お前使えへんか? お前の方が似合うと思うねん」

と、言いながらガレージの奥の棚からこんなヘルメットを出してきた。

これは、ARAIのVZ-RAMというシリーズで、 通気性の良さであったり、新しいスタイルのシールドシステムであったり、前から欲しいと思っていたのものだった。

普通に新品を買えば6万円くらいはするし、中古でも状態のいいものなら3万円はくだらない。その新品に近いこのこのヘルメットを彼は僕にくれるというのだ。

 

その瞬間、僕は手のひらを返した。

「そうやな。親友のお前が心細いと言うてるのに断ることなんてできない。喜んで付き合うわ」ということにした(笑)

 

しかし、僕もハーレーというバイクに対しては苦手意識しかない。ちょっとは慣れておかないと広島オーナーさんに失礼になる。

ならば一度、練習がてら走っておこうということで、4月13日(土)の午前中にIWTくんとプチツーに行くことになった。

 

【追記】

なお、ヘルメット(ARAIのVZ-RAM)は、さすがに無料でもらうわけにはいかないので、諭吉さん一枚で買い取ることになりました。無論、破格すぎるほどですけどね。

そして早速、ライクアウインドのステッカーを貼ってみました。

 

 

南大阪への路上教習

ちなみに広島オーナーさんが大阪に来られるのは4月20日(土)だ。

そして、その人が行きたがっているライダーズカフェとは、関西では有名な「あの名物店長がいる白いカレーのお店(堺市美原区)」なのだが、このお店はこの4月21日(日)をもって閉業するらしい。

広島オーナーさんが行きたがっているお店

つまり、広島オーナーさんが大阪に来られる日はこのお店の閉業の前日となる。

したがって、それなりに混雑することは容易に想像できるので、最悪の場合を考えてコンティンジェンシープランも用意しておかなくてはいけない。

そのコンティンジェンシープランを「Cafe LittlePine(河南町)」「蔵MotoCafe(泉佐野市)」の二つと考えてみた。

こんな時、バイク情報番組・Like a windの聖地巡礼の旅で培った情報が役に立つ。

 

というわけで、4月13日の練習走行は、我々が住んでいる東大阪市とCafe LittlePine(河南町)を往復するルートで走ってきた。

このルートなら、高速道路、速度を出せる一般道、田舎道など色々と練習になるだろうし、距離的・時間的にもちょうどいい。

個人的にはパンケーキが食べたかったので、Cafe LittlePineはうってつけの選択だった。

 

 

インプレッション

という経緯で、この日は東大阪から河南町までの往復約60km/約3時間走ってきたので、このハーレーダビッドソン・ファットボーイエボの感想を述べたいと思う。

やはり重たい

正確ではないが、ファットボーイは300kgくらいあるらしい。MT-09トレーサーは230kgくらいなので、取り回しの際には明らかにずっしりとした重量感を感じる。

足つきは全く問題がないのだけど、それでも停車中に少し左右に傾いたときに支え切れるかどうかはかなり不安な感じがした。

振動がすごい

スタビライザー的なものを装着していないそうなので、振動がすごい。

体全体で受け止める振動は(ハーレーなので)こんなもんだと思ったが、ハンドルを通じて手に伝わる振動は想像以上だった。

走り始めて20分程度、近畿自動車道を走っているときには既に手が痺れ始めていたし、Cafe LittlePineに到着したとき(出発後約1時間)は、完全に痺れていた。

スーパーカブ110もアクセル全開で走るとそこそこの手の痺れが生じるが、そんな比ではなかった。

マフラーが熱い

ハーレーダビッドソンと言えば、縦置きのV型エンジン。その後ろ側のシリンダーが太もも部分にあるので、そのエンジン熱がすごいのだと思っていたが、実際に熱さを感じたのはマフラーからの熱だった。

前後二つのシリンダーから右後方にはり出したマフラーからの熱がすごく、停車中の右足はかなり熱を持っていた。

このバイクを夏に乗ることは不可能だと思った。

向かい風がすごい

これはハーレーに限ったことではなくフロントにカウルやスクリーンなどの風よけが付いていないバイク全般に言えることだろうが、やはりまともに向かい風を受けるのでしんどい。

120km/hでの走行を続けることはまず無理だろうと思う。

一方、90km/hくらいだととても心地いい。これはCRF250RallyやMT-09トレーサーなどフロントスクリーンのあるバイクでは感じなかったことだった。

改めて「風を感じて走る」というバイク本来の楽しさを感じることができた。

ライディングポジション

ご覧のように、ハンドルの位置が高いし、足は前に投げ出すスタイルだ。

さらに車体重量や低重心デザインなどを考慮すると当たり前のことかもしれないが、直進時の安定性は申し分ない。

信号のない、長い直線道路などを適度な速度で走るにはうってつけのバイクだと思う。

一方、トレーサーのポジションに慣れてしまっている僕には、このライポジでカーブを曲がるのは恐怖だった。

この日の練習走行だけでは、ワインディングロードはまだ無理かなと思う。

 

 

エピローグ

前記のインプレッションでは率直な感想を書いたのだが、総じて言えばとても楽しい時間だった。

重たいけど、そのぶん走行は安定しているし、1300㏄超のエンジンはさすがにトルクフルで、予想に反して超低速走行がとてもやりやすかった。

何より、正面から風を受けて優雅に走るというバイクの楽しさを味わうことができた。

練習走行を終えて帰宅する際には、怖いという感覚はすでになく、むしろもうちょっと走っていたいという気持ちすら残っていた。

これなら広島オーナーさんが来られても迷惑をかけることなく一緒に楽しく走ることができると思う。

ならば、せっかくの来阪を楽しいものにして頂くべく、カフェ以外ではどこにご案内するかをじっくり考えることにしよう。

 

もしかすると、そのうち僕もハーレーオーナーになっているかもしれないと思った、初夏を感じさせる4月のある日の午前中の出来事だった。

 

(おわり)

 

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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