今回のLove Osumi Touringのテーマは
絶景ロード「内之浦の海岸線」
大隅半島には絶景ロードと言える道はいくつもあるのですが、今回は大隅半島の東海岸にある「内之浦地区(肝付町)の海岸線(国道448号)」を採り上げてみたいと思います。
内之浦の海岸線とは・・・
2017年の夏、初めて大隅半島を走った時、地元のライダーさんから「内之浦の海岸線がおススメのツーリングロード」と教えてもらいました。
この「内之浦の海岸線」とは地元の方の表現で、おおむね国道448号の波見から内之浦や岸良地区を経て、第十船間橋までの約40kmの海岸沿いの道路を指すようです。
これまでにCRF250Rallyで3回、スーパーカブ110で1回、この絶景ロードを走りましたが、地元の方が自慢するのも当然だと思いました。
本当に素晴らしい風景の道で、何度走っても飽きることがありません。
僕としても、おススメしたい絶景ロードの第一位はここです。
というわけで、大隅半島ツーリングライダーの皆さんには、ぜひ一度は走って頂きたい道ということで、Love Osumi Touring #5は、この内之浦の海岸線をご紹介したいと思います。
空いてますw
志布志港から、内之浦の海岸線の北端となる波見(肝付町)の交差点までは約18km/25分の至近距離です。
ただ、残念なことに、例えば志布志を基点として大隅半島の観光名所(例:雄川の滝や佐多岬)をナビにセットしても、その経由道路としてこのルートが提示されることはまずありません。
理由は簡単でこの内之浦を通ると遠回りになるので、あえてこの道を走行ルートに指定しない限り、ナビは普通に敬遠してしまうということになります。
そういった意味では、この道はとても空いています。
僕がこの道を走った時に、出会った車あるいはバイクの台数は1桁だろうと思います。
というわけで、雄川の滝に行くにしても、佐多岬に行くにしても、時間に余裕があるならばこの道を走ることをおススメしたいと思います。
肝属グリーンロード経由=88km/2時間
内之浦の海岸線経由経由=111km/2時間30分
では、このあと、内之浦の海岸線で特に美しいと思うエリアを厳選して詳しくご紹介いたします。
波見からロケットセンターまで
志布志港から国道448号を南下して行くと、約18km/30分で肝属川の河口付近に出てきます。
この間、「道の駅くにの松原おおさき」や春にはルーピンの花が咲く「柏原海岸」などの名所を経由するのですが、この話をすると本題から外れるので割愛します。
肝属川の河口の橋(第二有明橋)を渡ると波見の交差点があります。
(肝属川を渡り切るところ。波見交差点の手前)
ここを左に行くと「内之浦の海岸線」(国道448号)となり、左手に太平洋を見ながら内之浦ロケットセンター(JAXA 内之浦宇宙空間観測所)や岸良海岸の方へと走っていきます。
波見からロケットセンターまではこの道は適度なワインディングロードなので、景色もさることながら走っていて純粋に楽しい道です。
なお、ここからロケットセンターまでは海岸線ばかりではなく、少し山間部の道も走ります。
そして、ロケットセンターに近づいてくると、ロードサイドに人工衛星とかアンテナのオブジェが多くみられるので、かなり雰囲気を感じますね。
下の写真の左側に見えるのは人工衛星追跡アンテナ(実際に使用されていたもの)ですね。
内之浦ロケットセンター
この内之浦の海岸線のほぼ中央に位置する「内之浦宇宙空間観測所」のご紹介もしておきたいと思います。
上記写真はJAXAのホームページからリンクさせて頂きました。
なお、地元の案内標識にロケットセンターの名称が使われているので、このブログではロケットセンターという言葉を使わせていただいています。
ロケットセンターの概要
JAXA(宇宙航空研究開発機構)のロケット打ち上げ施設と言えば、種子島と内之浦の2ヶ所。その敷地面積は比較にならないほど種子島が大きいのですが、先にできたのはここ内之浦です。
1970(昭和45)年に日本は、内之浦宇宙空間観測所から世界で四番目となる人工衛星(名称はおおすみ)の打ち上げに成功しました。
この見学スペースは緑の芝で敷き詰められた広大な敷地で、ロケットの実物大レプリカなどが置かれ、そして巨大な発射台がそばにあります。
(Like a wind オンエアから引用させて頂きました)
はやぶさの故郷
さらに、内之浦の名を世界にとどろかせたのは「小惑星探査機 はやぶさ」でしょう。
「はやぶさ」は7年に亘るミッションを成功させ、小惑星「イトカワ」から表面の物質を地球に持ち帰る技術(サンプルリターン)を実証しました。
その長い旅は多くの人に感動を与え、その後に映画化もされたことは記憶に新しいです。
このはやぶさは、ここ内之浦ロケットセンターから打ち上げられたのです。
(上の画像は肝付町観光協会様よりリンクさせて頂きました)
見学できます
内之浦ロケットセンターは、ロケットの打ち上げ日やその作業期間などを除き、予約なしで施設を見学できるので、内之浦の海岸線を走るときはぜひ立ち寄ってみてください。
ロケットセンターから岸良海岸へ
内之浦ロケットセンターでの見学を終えたら、さらに南へと下っていきます。
2017年にこのルートを下(南)から上(北)へと走った経験があるのですが、その際には気づかなかったこの道の景色のすばらしさを、その2年後に北から南へと走った時に知ることになりました。
そして、さらに走ると岸良海岸が見えてきます。
やはり道は逆方向に走らないとその良さは分からないものですね。
内之浦の海岸線は交通量が少ないので、道端にバイクを止めて写真を撮ったりすることが容易です。’(ただ、ぜひ気を付けてくださいね)
なお、このあたりは携帯電話の電波が繋がりにくかったです。したがって、電話もできないし、ナビの設定もできずにちょっとパニクったことがありました。
(ちなみに僕はソフトバンクを使っています)
岸良海岸
岸良海岸の駐車場には東屋、公衆トイレ、そして飲料の自販機もあります。内之浦の海岸線を走るライダーにとって絶好の休憩場所だと思います。
志布志港から岸良海岸までは、約50km/1時間強の距離ですから、美しい景色を楽しみながらここまで走ってきてちょうどいい感じの休憩ポイントになると思います。
さて、岸良海岸を端的な言葉で紹介するとこんな感じでしょうか。
- 美しい白砂と青い海
- ウミガメの産卵地
- 一級の磯釣りポイント
僕は釣りはしないので磯釣りに適したところってどんな特徴を持っているのか分かりませんが、ここはかなりの有名ポイントだそうです。
そして、美意識の欠片もない僕ですが、この岸良海岸の砂浜の美しさくらいは分かります(笑)
この塀に腰を下ろして、しばしこの美しい景色を眺めながら波の音を聞いていると、日常の喧騒を忘れるいい機会になることは必定です。
ウミガメが産卵する条件は、砂がきれい、海にエサが豊富、砂浜に人工物がない、強い日差しがある、砂浜に奥行きがある等だそうです。岸良海岸はその全ての条件を満たしているように思います。
しかし、砂浜がきれいに保たれているのは、やはり地元の方たちの努力があってこそだと思います。
これからもウミガメちゃんたちのためによろしくお願いいたします。
岸良海岸から第十船間橋
内之浦の海岸線ツーリングもいよいよメインのスポットが近づいてきました。
それは、岸良海岸とその西にある第十船間橋との間の約6kmの区間です。
あくまで個人の価値観ではありますが、ここまで紹介した内之浦の海岸線の景色を10とするならば、今から紹介する景色は100、いや1000に相当すると思っています。
ツーリングライダーとしての僕としては、ナンバーワンの絶景ロードに位置付けている区間です。
では、とやかく言わずに見て頂きましょう。
全て岸良海岸から第十船間橋までの区間で撮った写真です。
少し走ると「岸良展望所」があり、岸良海岸を見下ろすことが出来ます。
さらに走るとこんな感じです。
この辺りの斜面を切り開いて新たに作った道路なのですね。
空いているので、(前後に気を付けながら)写真がバンバン撮れます。
そして第十船間橋に到着です。
眼下にはこんな景色が広がっています。
走ってきた道を振り返ってみるとこんな感じです。
スーパーカブ110で走った時の方が天気はややいい感じですね。
神髄は逆に走ること
ご覧いただいた通り、岸良海岸から第十船間橋へ向けての約6kmは左手に太平洋の大海原を見ながらの快走ライディングは絶景ロードなのですが、この話にはまだ続きがあります。凄いのはこの続きなのです。
第十船間橋を通り過ぎてさらに西に進むとトンネル(五郎ヶ元トンネル)があります。
トンネルの前後で周囲の安全をよく観てUターンをしてみましょう。
そして、今走ってきた岸良海岸へ向けて走ってみましょう。
ご覧の通り、トンネルの後は右に大きなカーブがあり、その直後に左へと回り込んでいきます。
その時、前方には海が見え始め、やがてこんな感じの景色が目に飛び込んできます。
この海が見え始めたときの感動は決して言葉ではお伝え出来ません。
簡単に言えば「海に飛び込んでいく」感じなのですが、やはりこれはぜひ肉眼で見て頂きたいのですが、せめてここで動画でご紹介しておきたいと思います。
この先、第十船間橋を超えて岸良海岸に到着するまでは、右手に広大な太平洋を見ながら走ることになります。
内之浦の海岸線の神髄はここにある(つまり、南から北へ走ること)と思っています。
まとめ
というわけで、大隅半島の絶景ロード「内之浦の海岸線」をご紹介しました。
志布志港を基点に考えた時、根占方面に行くにしても、その先の佐多岬方面に行くにしてもこの内之浦の海岸線を通ると遠回りになるので、敬遠されてしまいがちだと思います。
しかし、素晴らしい景色が待っていてくれているので、大隅半島を走るライダーさんにはぜひ一度は走って頂きたいと思います。
(おわり)