さんふらわあで行く九州ツーリング
2017年6月5日。
初めての九州ツーリング、そして初めてのさんふらあで行くツーリングから帰ってきました。今もなお、あの感動の中にいます。
この旅の概要
ではまずは、この旅の概要をさらりとまとめておきたいと思います。
ご存じだろうと思いますが、“さんふらわあ”とはフェリーの名前で、関西と九州とを3つの航路で繋いでいる太陽マークの船です。
関西のライダーなら、この船に乗って九州にツーリングに行くというのは、ちょっとした憧れかもしれません。
少なくとも僕にとっては長年の夢でした。
そして、今回その夢がようやく叶いました。
今回は、この“さんふらわあ”で大分県の別府港に入り、九州を縦断して鹿児島県の志布志から大阪に戻るツーリングを企画しました。
バイクにリターンすると決めた時から抱いていた長い間の夢でした。
大まかなスケジュールは以下の通りです。
6月2日(金)
夜7時頃に大阪南港を出港し、船内で一泊。
6月3日(土)
早朝に別府港に到着し、この日は阿蘇方面から高千穂方面をツーリング。
夜は宮崎県北部の延岡に宿泊します。
6月4日(日)
宮崎県の海岸線・日南海岸を走って、最後は鹿児島県へと入り、志布志港から大阪へと帰ります。
6月5日(月)
朝7時に大阪南港に帰着。
このように、往復の船内で2泊、現地で1泊2日というツーリングプランです。
この旅は、「さんふらわあで行く九州ツーリング」が第一義なのですが、この日程を選んだのは「シンガーソングライダー・サザキヒロシさん」の船内ライブが行われるからであり、そんな色んな楽しみを詰めた壮大なツーリングプランを3ヶ月前から計画してきました。
では、順を追ってレポートしていきたいと思います。
大阪南港 午後7時
6月2日の午後7時。
大阪南港・フェリーターミナルを”さんふらわあ あいぼり”が出航しました。
デッキから見える南港ATCの景色がこんなに奇麗なことを初めて知りました。
この日利用した客室はこんな感じ。
シングルベッドにデスクと洗面台。窓はありませんが、十分な広さであり快適でした。
そして、これも初めての船内レストランで食事をしました。
メニュー豊富で美味しいバイキングでした
盛り上がったサザキさんのミニライブ
さて、この日の船内での最大のお楽しみは、20時15分から始まるサザキさんのミニライブ。
3階のエントランスホールで行われたのですが、聴衆はオバちゃんたちが中心。
普段はおそらく(間違いなく)バイクに乗ってない人たち相手ですが、さすがにサザキさんは盛り上げ方が上手いです。
立ち見客でホールは一杯になりました。
「バイクに乗って行こう」「Oh, Yeah」「シチュー」「花火」などのサザキさんのオリジナルに加えて、オバちゃん達がよく知っているであろう、「涙そうそう」「乾杯」「ふるさと(唱歌)」なども演奏してくれたサザキさん。
そしてオバちゃん達は、自分が知っている歌は一緒に口ずさむんですね。
ライブは9時に終了したのですが、ホールの全員が一体になった感じで、ホンマにええライブでした。
さて、サザキさんのライブが終了したその直後にさんふらわあは明石海峡大橋の下を通過。
ロマンチックな綺麗な景色を楽しむことができました。
この後、サザキさんは「お腹減った」ということで、船内レストランで食事。
僕はビールだけお付き合いさせて頂きました。
そんなんやったら、先に食べんといたらよかったなあと後悔です
30分くらい、サザキさんとゆっくり話すことができたのは至福の時間でした。
サザキさん、お疲れのところ、本当にありがとうございました。
瀬戸のASAYAKE
さんふらわあに乗って、試して見たかったことがいくつかあります。
一つはさっき述べた明石海峡大橋の下から夜景を楽しむこと。
そしてもう一つは、瀬戸内海に登る太陽を拝むことです。
結果・・・最高の朝焼けを楽しむことができました。
この時のBGMはカシオペアの「ASAYAKE」。
学生時代にギタリストの真似事をしていたので、大好きな曲なのです。
ライダーの聖地・阿蘇へ
さんふらわあ あいぼりは朝7時40分に大分県の別府観光港に到着しました。
この前夜、図らずもサザキさんが「やまなみハイウェイの入口まで一緒に走りましょう」と言って下さって、ありがたくそのご厚意に甘えることにしました。
というわけで、さんふらわあ あいぼりを下船したあと、サザキさんと待ち合わせ。
この写真は、今でも大好きな写真の一つです。
こんな風に一緒に走れるとは思いもよらなかったことなので感激度はマックス以上。
あちこちから上る別府温泉の湯気を見ながら、サザキさんと別府の街を一緒に走らせてもらいました。
ほんの10数分でしたが、サザキさんのシャドウ・ファントムの後ろを楽しく走らせて頂きました。
今回のツーリングルート
今回の九州ツーリングは、2年ほど前にバイク情報番組「Like a wind」で放送されていた、「さんふらわあで行く、九州ぐるっとツーリングの旅」という企画を参考にして、その逆ルートを行こうと考えたものです。
この時のロケは、サザキヒロシさんとタレントの峰のりえさんがペアでツーリングし、九州各地の名所やグルメを紹介するというもの。
出発地点は鹿児島の志布志港で、ここから日南~宮崎~高千穂~阿蘇~別府というエリアを巡るというルートの設定でした。
今回の僕の企画はその真逆を行こうというもので、実際に訪ねた先はこの時のオンエアで紹介されたスポットだけではなく、他の回も参考にして決めました。
この「九州ぐるっとツーリング」が僕の今のバイク人生に大きな影響を与えたことは間違いなく、ずっと一度はこれをやってみたいと思っていました。
初日の訪問先
この時の初日の予定ですが、
- やまなみハイウェイを快走
- 大観峰から阿蘇五岳を拝観
- 草千里ヶ浜でランチ
- 高千穂峡を見学
- 延岡に入って宿泊
という計画を立てました。
一方実際にこのすべての予定は完了できたもののハプニングの連続。
その理由は昨年4月の熊本地震の爪痕でした。
阿蘇五岳(草千里ヶ浜)の後、高千穂に向かう際に通るつもりの道がことごとく通行止めになっていて、迂回を余儀なくされたのです。(赤のラインが迂回路)
その話はあとでゆっくりと書きますが、現地の皆さんは未だあの地震の被害・影響を大きく受けておられるということを実感しました。
しかし、皆さんが笑顔で前向きに復興に向けて取り組んでいらっしゃることも分かりました。
「Like a wind」では、“復興応援ライダー”という企画を放送していましたが、僕らがご当地へ行くだけで応援になると聞いたことを改めて思い出しました。
ホントに微力ですが、今回のツーリングがその一助になったのなら、ちょっと嬉しいです。
やまなみハイウェイ
自分では殆ど覚えていないのですが、僕は中学校の修学旅行で阿蘇に行ったみたいです。同級生は「やまなみハイウェイ」や「草千里」には行ったことを覚えているそうです。
ということなので、阿蘇へは初めての訪問ではなく実は30数年ぶりの再訪ということとなりますね。
この別府から阿蘇へのアクセスは、湯布院からは九重町から小国町方面へ行き、北から大観峰を目指すルートを選択。
最後までやまなみハイウェイを走って「長者原」や「くじゅう連山」を抜けていくルートもあるのですが、それは次回のツーリングの時に取っておくことにしました。
別府から大観峰までは距離にして約80km。所要時間は途中の休憩を含んで約2時間でした。
途中「おお!九州や~!」って感じの景色を何度も楽しめたのですが、その中でも由布岳を間近で見ることができたことは感動でした。
まずは鶴見岳のロープウェイ乗り場あたりを抜け切ると城島高原ですね。
由布岳の登山口あたりです。
この時、狭霧台の展望所が閉鎖されていて、楽しみにしていたそこからの由布岳は観れなかったことが残念でした。
しかし、やまなみハイウェイの神髄はこのあたりですね。
この天気と相まって最高の由布岳を観ることが出来ました。
この由布岳は、豊後富士という別称があって、その名の通り富士山のような美しい姿の山なのです。
大観峰への道
由布岳に感動しながら、湯布院の街中を通り、ミルクロードを経て「大観峰」に到着したのは、別府を出発した約2時間でした。
もう素晴らしい景色の連続で、ヘルメットの中で雄たけびを上げながらの走行でした。
ここで阿蘇についてちょっと説明を。
阿蘇市のHPに以下の説明があります。
“阿蘇は典型的な二重式の火山。阿蘇山といえば阿蘇五岳を中心にした中央部の山々を呼ぶことが多いが、広い意味では外輪山や火口原をも含めた呼び名です。
外輪山は南北25km、東西18km、周囲128㎞もあり、世界最大級の火山です。
この下の図はGoogleマップの地形マップを使わせてもらったのですが、阿蘇五岳、カルデラ、そして外輪山の様子がよく分かります。
つまり富士山のように一つの山ではなく、複数の山々を総合した名称が「阿蘇山」なのですね。
阿蘇五岳
まずは大観峰から
大観峰とは山の名前ですが、上記の阿蘇五岳を見ることができる有名な観光地なのです。
この数か月前のLike a windでは、サザキさんと福山理子さんがナビゲーターとなってこの大観峰の周辺を紹介してくれていました。
なのでこの風景は予習済みだったのですが、行ってみて実際に見るその絶景に絶句です。
この大観峰から見る阿蘇五岳はお釈迦様の涅槃像(亡くなった時の姿)に似ているので、見るというよりも「拝観」という言葉がぴったり当てはまります。
では大観峰から見た阿蘇の風景をご紹介します。
阿蘇五岳
まさしく釈迦涅槃像ですね。
左から根子岳(1,433m)、高岳(1,592m)、中岳(1,506m)、烏帽子岳(1,337m)、杵島岳(1,321m)です。
外輪山
阿蘇五岳の周囲をこの外輪山が取り囲んでいます。
このカルデラの姿も美しいですね。
ホントに素晴らしい場所でした。
草千里ヶ浜へ
大観峰から阿蘇五岳を拝んだ後は、その阿蘇五岳の中に入っていきます。
大観峰からはほぼ真っすぐに南下していく感じですね。
まずは、大観峰からワインディングを降りていくのですが、これがまた楽しい道でした。
そして、一旦は平地に下りて、国道212号を阿蘇五岳の入口である「道の駅阿蘇」に向かって進んで行きまます。
この時、ずっと正面に阿蘇五岳が見えるので感動が続きます。
途中、JR豊肥本線の高架を超えたですが、ここから西への数駅間は震災の影響で現在もまだ運行停止中のまま。復旧の見込みは立っていないそうです。
そして「道の駅 阿蘇」の前を通って、阿蘇五岳の方へ登っていくのですが、この道の駅では「馬まん」つまり馬肉を使用した肉まん、つまり”馬まん”を食べることできます。
今回は時間の関係でこれをパスしたのですが、少し後悔をしています。
しかし、結果的にここに寄っていたら、この日の予定は間違いなくコンプリートできなかったので、次回の楽しみにとっておくことにします。
傷跡が痛々しい山頂への道
阿蘇の山上へは「阿蘇パノラマライン」を通っていきます。
登りもカーブも急過ぎず、走りやすく素晴らしい道です。
しかし、道路の至る所に補修の跡があります。本当に痛々しい感じです。
さらに杵島岳(?)は大きく崩れていて、あの地震の凄まじさを感じずにはいられませんでした。
この長い区間において、多くの作業員さんが復旧工事を急いでおられました。
本当に頭が下がる思いでした。
そしてさらに走って行くと、急に道路が全面舗装し直した区間へと入りました。そのすぐ先に草千里の展望台駐車場がありました。
全面舗装されているところを見ると、相当傷んだんだろうと想像できます。
阿蘇の観光名所をいち早く復旧させるんだという皆さんの熱い思いがこもったような新しく舗装された道路でした。
想い出の草千里ヶ浜
そしてたどり着いたのが、中学校の修学旅行で来た(であろう)草千里です。
正面に見えるのは阿蘇五岳の一つ・烏帽子岳です。
この草千里を乗馬している観光客の姿も見られます。
ここのスケールが分かりますよね。
羨ましいな~ オイラも乗りたいな~と思いましたが、僕が乗ると馬が悲鳴を上げるのは必定なのでやめときます。
あの時(修学旅行の時)は雨だったそうですがこの日はご覧の通りの快晴。
リベンジした気分です(笑)
あか牛のランチ
さて、ようやくランチタイムです。
この時は今ほどにはランチ情報など持っていなかったので、ここ(草千里ヶ浜)に来ればお昼ご飯が食べられると思っていました。
なお、この草千里には元々3つのレストハウスがあるのですが、その中の一つは震災の影響でまだ再会できていないのだとか。
この日のランチは「牛肉」と決めていました。
出来れば豊後牛を食べたいと思っていましたが、豊後牛とは大分県産の黒毛和牛。
既に朝のうちに豊後(大分)を通り抜けてしまったので、方針を変更して肥後(熊本)の代表品種である褐毛(赤毛)和牛「あか牛」を頂くことにしました。
お代2,300円ですが、やわらかくて、霜降りの部分の脂っこさが適度で、しかも歯ごたえがしっかり。美味しかったです。マジで。
苦難の高千穂への道
修学旅行で阿蘇の火口を見に行ったことは何となく覚えていて、今回も行ってみたかったのですが、噴火活動の影響で火口へ向かう道路は閉鎖し、ロープウェイも運休中でした。
上の写真、正面は中岳です。
かすかに噴煙のようなものが上がっているのが見えます
南阿蘇へは行けない
さて問題はこの後でした。
次の行先は「宮崎県・高千穂」なので、阿蘇五岳を南へ下り、高森町経由で高千穂へ行こうと思っていたところ、南阿蘇へ向かう「阿蘇パノラマライン」は震災の影響で通行止め。
仕方なく、杵島岳付近から西に向かう道路を下ろうと思ったけど、これも通行止めでした。
結局は、登ってきた道をもう一回下りて、阿蘇五岳の麓をぐるりと回って高森方面に行くしかありません。
事前の下調べが足りなかっただけなのですが、これは全くの計算外。
特に土地勘がないだけに、突然の出来事に気持ちは焦るばかりで冷静な判断が出来ない状況でした。
迂回路をミスる
とりあえずは、道の駅阿蘇前の交差点まで下りてきたのですが、この時にナビが示した方角は西で、阿蘇五岳の西側の麓を通って南阿蘇へ行くルートを示していたのでした。(下の地図)
何も無ければその方が距離は短いので正しいルート表示となるのでしょうが、南阿蘇にある阿蘇大橋が崩落したことで、このルートは赤色の部分が通行止めになっていました。
したがって、上の地図の紺色のラインは走れたものの、そこ(赤水)から先は行けません。
真っ直ぐは行けないので右折(西進)するしかなく、しかしそれは目的地の逆方向になる熊本市内へと向かってしまっていたのでした。
普段、バイクに乗るときは愛用させてもらっている“Yahooカーナビ”ですが、通行止めの情報は反映されないのですね。
道を間違うと本来の正しいルートに誘導してくれる仕組みは、通常ならありがたいのですが、こういった時は邪魔でしかありません。
ガソスタのお姉さんに助けられる
土地勘があるならまだしも、初めて来る場所です。
自分は今どこにいるのか、どのように迂回したら高千穂方面に行けるのかが全く分からない中で、この時ばかりは途方に暮れるばかりでした。
結局は、大津町あたりのガソリンスタンドで事情を説明し、高森町へのルートを教えてもらって事なきを得ました。
この時、僕に土地勘が無いことを悟ったのか、ガソスタのお姉さんの教え方が丁寧で、本当に分かりやすかったです。
あの時、あのお姉さんに出会えなければ、路頭に迷ったことは必定です。
あの時のガソリンスタンドのお姉さんには今でも心の中で手を合わせています。本当にありがとうございました。
南阿蘇に出れた!
というわけで、最終的にはこんな感じで高森町まで行きました。
通行止めが無ければ草千里ヶ浜から高森町までは30分程度の距離。
迂回しないといけない場合でも、本来の迂回ルート(東回りルート)なら50分程度で行けた高森町ですが、この大失敗のために2時間半を要することとなりました。
ただ、こんな美しい阿蘇の南側の風景を見ることが出来ました。
また、ここへ来るまでに通ったのは「グリーンロード南阿蘇」という道で、それはケニーロードと呼ばれるライダーには人気のツーリングロードなのです。
ただ、それは後でわかったので、その時は感動も何もなかったのですが(笑)
とにかく、ハプニングの連続でしたが、何とか高森町まで来ることが出来ました。
高千穂に到着
こんなドタバタを経て、当初は14時に到着予定の高千穂に到着したのは15時50分でした。
もともと歴史が好きな僕は天孫降臨の伝説がある高千穂には何としても一度は来てみたかったのです。
▼高千穂神楽のオブジェがお出迎え
そして、目的としていた「高千穂神社」および「天岩戸神社」の参拝と、「高千穂峡」の神秘的な景観をこの目で確かめるというメインのテーマは何とか実現することができました。
神秘的の高千穂峡
高千穂と聞いて思い出すのは、この風景ではないでしょうか。
この湖面はボートで水上散策できるのですが、さすがに一人で乗るのはやめました。
乗っているのは、100%カップルでしたからね(笑)
高千穂町観光協会のHPに以下の説明があります。
太古の昔、阿蘇山の火山活動によって噴出した火砕流が冷え固まり侵食された断崖がそそり立つ峡谷で、高いところで100m、 平均80mの断崖が東西に約7キロに渡って続いており、昭和9年には「五箇瀬川峡谷」として国の名勝・天然記念物に、 昭和40年には祖母傾国定公園の一部に指定されています。
峡谷内には日本の滝百選に指定されている名瀑「真名井の滝」があり、高千穂峡のシンボルとなっています。
そもそも太古の阿蘇の大噴火で、その時の火砕流は九州全土を覆いつくしたらしいのですが、ここでも阿蘇の影響があるのですね。
「高千穂神楽」に関して色々と見て回りたかったのですが、前述の大迂回の影響でその時間が取れなかったことは残念でしたが、こんな神秘的な風景はなかなか見ることが出来ませんし、ここへきて本当に良かったと感じました。
高千穂神社と天岩戸神社
このあと、高千穂峡とならんでここに来る目的であった高千穂神社と天岩戸神社を参拝させて頂いたので、その紹介をしておきます。
<高千穂神社>
高千穂神社は、約1900年前の垂仁天皇時代に創建された神社で高千穂郷八十八社の総杜ということです。
主祭神は高千穂皇神と十社大明神で、特に農産業・厄祓・縁結びの神をして広く信仰を集めています。高千穂皇神は日向三代と配偶神の総称です。十社大明神は三毛入野命をはじめとする10柱を祀っています。
<天岩戸神社>
天照大神がお隠れになられた(と伝わる)“天岩戸”を御神体としてお祀りしています。
古事記・日本書紀に記される“天岩戸神話”を伝える神社です。
ご神体である「天岩戸」は西本宮から拝観することができますが、残念ながら社殿越しに拝観させて頂くに終わりました。
なお、“天岩戸”の伝説がある場所は、日本各地にあるようですね。
(例えば、伊勢の二見興玉神社にもそのような場所があります)
しかし、各地にこれだけの伝承が残る場所があること自体、古くから神話が根付いているという事でしょうか。
今日の最終目的地・延岡へ
この日の最終目的地は、宮崎県最北端の自治体・延岡です。
ただ延岡に特に用事があったわけではなく、
初日の流れで行くと延岡市か日向市が宿泊地の候補になったこと。隣の日向市と比較するとホテル宿泊料金が安かったこと。大好きなチキン南蛮の発祥が延岡だったということ。
等の理由で延岡を選びました。
高千穂から延岡までは50km弱の距離で所要時間は1時間程度。
到着はちょうど18時で暗くなる前に到着できました。
結果、この日の総走行距離は約300kmになっていました。通行止めがなければ予定走行距離は200km程度の予定だったのでやっぱり迂回が響きましたね。
もうお尻と腰が痛かったし、お腹もめっちゃ空きました。
地頭鶏(じどっこ)で初日を締める
宿泊したのは延岡駅前のアパホテル。料金は4500円(朝食付き)。
トリバゴで予約したのですが、さすがに安いと思います。
部屋はやや狭かったけど、十分に快適でしたね。
そしてホテルで教えてもらった地元の隠れた名店(らしい)で宮崎地鶏を堪能してこの日の予定は終了しました。
宮崎県を走る
ツーリング2日目の朝は快晴でした。
この幸運を神様に感謝せずにいられません。
この日の予定はこんな感じです。
- 都農神社(参拝)
- 宮崎県庁(Rallyの記念撮影)
- 道の駅「フェニックス」(昼食)
- 日南海岸(海沿いの道をライディング)
- 榎原神社(参拝)
- 志布志港へラストラン
殆ど宮崎県を走るって感じです。
昨日ほどではないにせよ、やはりハプニングがあり変更を余儀なくされることもありました(このことは後述します)が、そんなことも含めてトータルでは充実した2日目となりました。
さて、ホテルを出たのが8時20分頃。
8時には出たかったけど、前日の後遺症(腰と尻が痛い)のがあって、直前まで腰と尻と足をセルフマッサージしていました。
最初の訪問地
ということで、少しゆっくり目の朝を過ごし、この日の最初の目的地である、都農神社へ向かいます。
都農神社は日向国(ほぼ宮崎県)の一之宮で、延岡市と宮崎市の中間に位置しています。
延岡からは約40kmですが、信号が多いせいか1時間程度かかります。
前日は山間を走り、この日はほぼ海岸線を走ることになるのですが、この両方を楽しめるのも九州ツーリングの魅力ですね。
▼「宇佐美」って九州にもあるのですね。関西だけだと思っていました
この「おぐら」ですが、TVのバイク番組「Like a Wind」で放送された九州ツーリング企画の際、サザキさんと峰さんがここでチキン南蛮を食べていたので、僕もそうしたかったのですが、ここを通過したのがまだ午前9時前。
つまり開店前でした。これは次回以降で必ずリベンジしたいと思っています。
都農神社
創建の由来として当神社のHPに以下の記載があります。
創建されたのは御即位6年前の神武天皇が宮崎の宮を発し東遷の折、此の地に立ち寄り、国土平安、海上平穏、武運長久を祈念し御祭神を鎮祭された事と伝えられる。
宮崎県(日向国)に来ると、天孫降臨や天皇家初代と伝わる神武天皇の話題に多く触れることができます。
かなり神話が各地に根付いていることが分かりますね。
参拝を終えて参道をあるいて戻ってくると、ある若者と駐車場で少し話すことができました。延岡から2時間かけて自転車で来たとのことでした。
僕が志布志まで行くと言ったら「気を付けて行って下さいね」って見送ってくれました。
嬉しかったです。ありがとね。
宮崎市内へ
都農神社の参拝を終え、いよいよ宮崎市内へと入っていきます。
実はここ数年、毎年4月に仕事で宮崎県に行っています。某自治体から頂くお仕事の依頼で、延べ滞在期間は20日を超えました。
極めて限られたエリアですが、宮崎県庁周辺のエリアは歩き尽くしたのでそこそこの土地勘はあります。
▼フェニックス・シーガイアと日向灘の間を走行中。もう南国気分たっぷりですね。
そして、その「知ってるエリア」に入った時は懐かしい思いで一杯でした。
分かりにくいですが、下の写真・左側に写っている「鳥の里」は出張の時に必ず寄るお店です。
美味しく・安く、宮﨑の地鶏を楽しめますよ。
そして、宮崎県庁の前で記念撮影です。
ここは東国原知事の時に有名になりましたね。
このあと、近くにある宮崎物産館で「マキシマム」や「戸村のタレ」など、地元の方おススメの調味料などを買ってお土産としました。
出張の時は、基本的にはその滞在期間はその自治体庁舎とそのすぐ近くにあるホテルとの往復だけ。夜はその近くに飲みに行く程度で、宮崎県の事は何も知りませんでした。
しかし今回、この宮崎県を北端から南端まで走ることができたことで各地の様々に触れたことは収穫でした。
次の出張の時には、色んな話題で盛り上がれそうです。
絶景の日南海岸
九州におけるツーリングルートでは、やまなみハイウェイや阿蘇やくじゅう連山の周辺道路はライダーの聖地だと思っていました。
そして、このあとに走る「日南海岸」も同様にライダーの聖地のように感じていました。だからこそ、ここを走ることはバイクにリターンした時からの夢でした。
道の駅フェニックス
まずは宮崎市内から空港の傍を走って、道の駅・フェニックスに立ち寄ります。
ここから見る日向灘~太平洋の景色は絶景だと聞いてましたから。
▼国道220号から県道に逸れて、道の駅を目指します
▼手前から見ると海に飛び込みそうなカーブ
▼YAEHをくれたライダーたち
▼もう絶景です
▼そして到着
この道の駅・フェニックスは地元ライダーたちも多く集まっていて、各自のバイクを自慢しあっている感じでした。高校生の時に憧れたバイクも停まっていました。
この道の駅に立ち寄った目的は、ここから見える景色(鬼の洗濯板)とソフトクリーム。
エビ味のソフトクリーム
この道の駅のスペシャルは「海老」味のソフトクリームなのです。
この手の珍しいものはチャレンジすることが多いのですが、さすがにこの”エビ”はインパクトが強いとの噂なので試すのを諦めました。
代わりに食べた「日向夏」のソフトクリームはもう最高に美味でしたよ。
鬼の洗濯板
日南海岸の名所と言えば、やはり「鬼の洗濯板(岩)」でしょうね。
なかなかおどろおどろしい名前ですが、wikipediaにはこのような説明があります。
砂岩と泥岩が交互に重なった地層(油津層群)からなる山が沈降して海に浸かり、波に侵食された後にわずかに隆起することで「隆起波食台」と呼ばれる地形が形成された。
規則的に重なった地層が緩やかな傾斜をなしているため階段状に侵食されており、巨大な洗濯板のように見えることから「鬼の洗濯板(岩)」と呼ばれる。
この手前(北側)にある青島神社を取り巻くあたりが鬼の洗濯板として有名なのですが、青島地区から南(巾着島)へ約8kmの海岸線に見られる光景です。
海鮮丼が美味しかった
さてお腹も空いたのでここで昼食を摂りました。
日南の海を見ながら食べた海鮮丼、とても美味しかったです。
凄すぎるぞ、日南海岸!
このあとは、待ちに待った日南海岸を南へ下っていきます。
天気が良かったから、日向灘の空の青と海の藍とのコントラストが見事で、吸い込まれそうになります。
道の駅フェニックスから次の目的地であるサンメッセ日南までは約16kmで、20分もかからない距離でしたが、このルートの景色は一生忘れることは無いと思います。
素晴らしい景色とCRF250Rallyと自分とが一体化できた感じがした至福の20分でした。
■ サンメッセ日南は諦めました
今回の「九州ぐるっとツーリング」は、2年前に放送されたTVのバイク番組「Like a Wind」で放送されたツーリング企画を参考にして敢行したことは既に述べました。
このLike a Windでは、サザキさんと峰さんがこのサンメッセ日南に立ち寄ってモアイ像と絡むシーンがあったので僕もそれをやってみたかったのですが、入り口まで来たら目に飛び込んできたこの看板。
時間があれば、園内をゆっくり見て回りたいのですが、午後4時には志布志に到着しなければなりません。
モアイ像とのツーショット写真のためだけに使う700円はあまりにも勿体無いということで、総合的に考えてサンメッセ日南は諦めることにしました。
鵜戸神宮が凄かった!
道の駅から南下してくる途中に何度か「鵜戸神宮」の看板が目に入りました。
恥ずかしながら聞いたことがない神社名でしたし、宮崎県での目的だった都農神社の参拝は終えたので、正直なところ興味はなかったのですが、やはりこれは神様のお導きかと思い、立ち寄り参拝させて頂くことにしました。
実はこの神社は実に凄い神社だったのです。
この神社についても、Wikipediaの説明を引用させてもらいます。
鵜戸神宮(うどじんぐう)は、宮崎県日南市にある神社である。旧社格は官幣大社で、現在神社本庁の別表神社に指定されている。
日向灘に面した断崖の中腹、東西38m、南北29m、高さ8.5mの岩窟(海食洞)内に本殿が鎮座し、参拝するには崖にそって作られた石段を降りる必要があり、神社としては珍しい「下り宮」のかたちとなっている。
(中略)
日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊(神武天皇の父)を主祭神とし、相殿に大日孁貴(天照大御神)以下の皇祖神と神武天皇を祀る。主祭神降誕の地とされ、縁結び・夫婦和合・子授け・安産などの信仰を集めている。
「岩窟内に本殿が鎮座している」っていったいどういうこと?と思いながら、 駐車場から階段のアップダウンを経て約15分。ようやくたどり着けたのが美しい楼門前でした。
この日は暑かったし、息を切らしながらようやくたどり着いたのですが、多くの人が別の方面から歩いてくるので目をやると、この目の前に駐車場がありました。
僕は、別の駐車場から遠回りをしてきたようです・・・
さて、その先を進んでいくと、こんな景色が目の前にあります。
さらに階段を下ると・・・
岩窟の中に社殿が鎮座されていました。これは圧巻でしたね。
そして、社殿裏にある「お乳岩」は安産・子育てにご利益があるとか。
通り過ごさずに本当に良かった~って感じです。
天孫降臨の神話が根付く九州ならではの神秘的な感じがする神社でした。
ツーリングは最終章へ
予定外ながら訪問して良かったと心から思えた「鵜戸神宮」。
ここの参拝を終え、もう少し日南海岸を南下した後は内陸部へと入り、志布志港へと向かっていきます。
いよいよ九州ツーリングも最終章です。
道の駅フェニックスからここまで、約25kmの海岸線でした。
太陽の光を浴びながら走ったこの約30分間のことは絶対に忘れないと思います。
そして、また機会があればこの絶景ロードを走ってみたいと思います。
最後の訪問地
素晴らしいライディング経験をさせてくれた日南海岸にも大堂津で別れを告げ、ここから志布志港がある鹿児島県に向かって山道を走って行きます。
そして、この旅の最後の訪問地は、日南市にある「榎原神社」。榎原は”よわら”と読みます。
この榎原神社は縁結びの神様として地元のみならず遠方からの多くの参拝客を招いているとのことなのですが、この神社を知ったのは、やはりTV番組「Like a Wind」でした。
今回の九州ツーリングリポートでは何度も話題にしていますが、サザキヒロシさんと峰のりえさんが出演した九州ツーリングの企画で、最初に訪れた場所がここでした。
【Like a wind】#476 サザキヒロシ峰のりえ九州ぐるっとツーリングの旅 - YouTube
(榎原神社のシーンは9:45あたりから)
縁結びの神様
このオンエア(九州ぐるっとツーリング)が僕のバイク乗りとしての転機になったことはすでに述べました。
そのロケは志布志から始まったので、サザキさんとのりえもんの二人がそのロケ旅の最初に訪れたことで、この榎原神社がすごく印象に残っていたのです。
そして、この榎原神社こそが僕のこの旅のラストを飾ってくれるに相応しいと思い、寄らせてもらうことにしました。
改めて申し上げますが、榎原神社とは縁結びのご利益があることで有名な神社なのですが、僕はここを参拝させて頂いたことで、この後にこの神様の凄まじいパワーを頂戴することになります。
無論、そのことを論理的に説明できるわけもありませんが、この旅を終えてからのいろんな人たちとの出会いや、その後のそのご縁のすばらしさは神様のおかげとしか思えないものでした。
まずは、「Like a wind」との出会い。
そして、Like a windを通じて、サザキヒロシさんの存在を知り、幸運にもサザキさんとじかに話すことができて、その人柄や素晴らしい楽曲に触れ、ますますバイクに乗ることが楽しくなりました。
つい最近まで全く興味がなかったのですが、「大型自動二輪免許」にもチャレンジし、無事に取得できました。
今後、機会があればリッターバイクにも乗ってみたいと思いますが、これも始まりはLike a windの存在やサザキさんからもらった縁だと思います。
こんな思いを込めて、榎原神社を参拝させて頂きました。
志布志へのラストラン
榎原神社を辞した後は、九州ツーリングの優秀を飾るべく鹿児島県の志布志に向かいます。
串間市の市街地を抜けるまで、最後の山間ルートで対向するライダーが送ってくれたYAEHが今回の九州で交わす最後のサイン交換となりました。
互いにどこの誰かも分からない者同士が、ただバイクに乗っているというだけで交わす挨拶。
これもバイクに乗る楽しさの一つですね。
さて、串間市を抜けて再び国道220号(448号)の海岸ルートを走るのですが、これも絶景のルートでした。
そして、志布志港のさんふらわあターミナルに到着したのは午後3時30分。
出航のちょうど1時間半前でした。
ターミナルに入場すると目の前に太陽を描いた純白の船が目に入るのですが、その瞬間にこの2日間の感動がよみがえり、不覚にも涙がこぼれそうでした。
太陽の船が待ってくれている
2日間のツーリングを終え、志布志港に無事に到着できました。
この志布志航路の船は、別府航路の”あいぼり”より一回り大きい感じがしました。
船体に描かれた太陽のマークが美しいです。
乗ってみて感じたことは「ちょっと古い」(笑)のですが、現在は来年就航予定の新造船を建造中だとか。早く乗ってみたいですね。
客室はこんな感じで窓がある分、解放感もありますね。
必要にして十分という感じのお部屋でした。
さあ帰ろう
志布志港の出航は定刻通りの午後5時。
すぐにキャプテンからの船内アナウンスがあり、今日の太平洋航路の波は穏やかとのこと。
トラック運送の会社を経営する友人から、日向灘を越えて四国・高知沖を通る時は縦揺れがすごいと聞いていたので一安心です。
午後5時に出航して、大阪南港着岸は明日の午前7時半ごろの予定。つまり15時間近い船の旅ですから、この時間をどう過ごすかが課題でした。
ただ、船内でBS放送が見れましたし、ほとんど寝ていたので退屈はしませんでした(笑)
さて、出航前にお風呂は済ませて、その後デッキに出て志布志湾の夕景を見て、あらためて充実感たっぷりの2日間のツーリングを振り返ってみて感動がよみがえってきました。
そして、この旅の最後の晩餐は、さんふらわあ名物の船内バイキング料理。
ビールとワインで有終のカンパイを行いました。
レストランの窓越しに見える都井岬を観ていると、「帰らなアカンのか~」という残念な思いとともに、「絶対にまた来たい」との思いも高まり感無量でした。
たらふく食べて、そして飲んで、部屋に戻ったのが午後7時過ぎ。
もうお腹いっぱいで横になって、2度ほどトイレに行ったものの、朝までほぼ爆睡。
気が付いたら「おはよう」の船内アナウンスと左舷に関西空港、右舷に明石海峡大橋が見えていました。
帰ってきてしまいましたね(笑)
はじめての九州ツーリングを終えて
船内2泊、現地2日の今回の旅は、地震の影響により迂回を余儀なくされたことなどハプニングもありましたが、総じて振り返れば感動の連続で、あっと言う間に終了した感があります。
全体では120%の満足度であり、素晴らしい経験ができたと思っています。
一方、熊本地震の爪あとはまだまだ大きいことも目の当たりにしてきました。
現地で復興に取り組む皆さんを心から応援したいと思うし、皆さんの努力に心からの敬意を表したいと思います。
さて、このブログを書いているのは6月11日(日)の夕方。先週の今頃はさんふらわあの船内にいました。
帰ってきてまだ1週間だけど、すでに「さんふわらあロス」「九州ロス」に罹患しています。快癒にはどれだけの期間がかかることやら(笑)
でも「必ずまた行く」という決意とそれに向けた具体的な行動がその「ロスという病」の特効薬であることは容易に想像が付きます。
明日から、次の九州ツーリングに向けての計画づくりを始めたいと思います。
最後に、この旅のルートを振り返ってブログレポートを終わります。
最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。
(おわり)