聖地巡礼のバイク旅

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北近畿ツーリング 「そばと巡礼と思い出の地巡り #2」

 
こんにちは。今日もご訪問頂きありがとうございます。
初めての3日連続の投稿です。
 
昨日は「グルービング加工」の話を挟みましたが、今日は北近畿ツーリングの後編について語ってみたいと思います。
 


■ 但馬国一之宮「出石神社」を参拝
 
美味しい出石そばを食べたあとは、I藤君の了解を得て、巡礼ライダーに戻ります。
 
四国遍路や西国巡礼、そして今年のテーマにしている近畿三十六不動尊霊場などに加えて「全国一之宮」参拝もライフワークにしていますが、今回のツーリングで来た但馬国(現在の兵庫県北部・つまり北近畿)には一之宮を称する神社が2社あります。
 
元々は舞鶴(旧丹後国)も今回のツーリング予定に入っていたことは前々回で述べました。

この丹後国には「元伊勢」と呼ばれる籠神社があり、ここはぜひ参拝したかったのですが、これは次回に持ち越します。
さて、但馬国一之宮の2社とは、「出石神社」と「粟鹿神社」。

その一つ、出石神社は、出石城下からはバイクで数分の距離なので、まずここを訪ねます。
 
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■ 出石神社
 
現在のご祭神は
・伊豆志八前大神(いづしやまえのおおかみ、出石八前大神)
・天日槍命(あめのひぼこのみこと)
 
この天日槍命は、日本書紀や古事記伝わる古代朝鮮(新羅)からの渡来人または渡来神なのだそうです。
 
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この但馬地域の中でも特に出石地区では多く祀られている神様のようです。
境内は森林に囲まれており、鳥居の一宮の文字が印象的な神社でありました。
 
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■ 思い出の場所、和田山へ
 
この後、我々は和田山(旧和田山町、現在は朝来市)へ向かいました。
天空の城・竹田城がある町です。
 
出石から和田山までは、30km弱の距離で、所要時間は約30分です。
 
この和田山は、国道9号線(山陰道)と国道312号線(舞鶴と姫路を南北に結ぶ幹線道路)とが交差する場所でもあり、北近畿の交通の要所の一つです。
 
かつて務めていた会社では、この和田山の地に北近畿一円を守備する巨大な物流センターを建設するプロジェクトができ、僕はその主要メンバーの一員として参画させてもらいました。
 
1993年頃の話ですが、自動倉庫や自動ピッキング装置など、当時の日本にはなかった最新鋭の自動化設備を備えたセンターを建設するために、この地には頻繁に通いました。

この頃から既に二十数年、久しぶりに訪ねた和田山の地です。
 
▼思い出の和田山物流センターのオフィス前で
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あの頃によく泊まったビジネスホテルは今も健在でしたが、よく通った定食屋は今はなく、駐車場に変わっていました。「わらじとんかつ」、美味かったなあ…
 
道路整備はかなり進んでいて、当時は生野(銀山があった場所・兵庫県のほぼ中央部)までしか開通していなかった播但連絡道は和田山近くまで延び、舞鶴若狭自動車道の春日ICから和田山までも自動車専用道がつながりました。
 
この地を北近畿の物流の要所と定めた当時の会社の判断は正しかったと改めて感じました。
 
 
 

■ 道の駅・但馬のまほろばへ
 
和田山物流センター前での記念撮影の後、今回のツーリングの目的地の一つ、「道の駅・但馬のまほろば」へ向かいます。
 
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今の仕事でお世話になっている方から、但馬方面に行くならぜひ立ち寄ってもらいたいとの推薦を頂いたことから行ってみることにしました。
 
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この「但馬のまほろば」ですが、このネーミングに少し違和感。
だって、まほろばというと奈良を思い出すでしょ?

しかし、このネーミングの意味を確かめたいという気持ちも沸いてきましたよ。
 
行ってみて分かったことは、この「但馬のまほろば」は、国道483号の道の駅、および北近畿豊岡自動車道の山東PAを兼ねているということ。
 
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そして、埋蔵文化財センターが併設されており、地域の歴史資料館としての機能があること。
さらに「まほろば」とは住みやすく素晴らしい場所を指す日本語であり、奈良限定の言葉ではないこと。
ということでした。
 
なるほど! ですわ
 
 
 

■ 「但馬のまほろば」は魅力ある道の駅
 
せっかく来たので、ゆっくりと見て回りましたが、さすがに人で一杯。

売っている土産物も但馬牛や岩津ネギなどの地元の幸で、オリジナリティ溢れる商材ばかり。
 
家族へのお土産として買ったのは、「但馬牛肉のラー油」「但馬牛味噌のにんにく」「イカの塩辛」の3点。
なぜか酒のツマミばかりのようですが、ご飯のお供でもあります。
 
この翌日の我が家での夕食は鶏の唐揚げだったのですが、連休前に行った宮崎県で買ってきた「マキシマムの塩コショウ」とこの日買った「但馬牛肉のラー油」で食べる唐揚げは、チョー美味でしたよ。
 
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その唐揚げが揚がってくるまでにビールを飲みながらの「但馬牛味噌のにんにく」と「イカの塩辛」がこれまた最高。
 
そして仕上げに食べたほっかほっかのご飯にまたまた「但馬牛味噌のにんにく」「イカの塩辛」が登場。
お茶碗に2杯いきましたね。
 
「出石そば」のお土産より、こっちの方が正解と妻にも褒めてもらいました。
 
 

あと、フードコートのお話も。
この近くに「但熊」という有名店があります。

何の店かというと、「卵がけご飯」のお店。
 
この但熊の卵がけご飯がここでも味わえるとうのはちょっとしたサプライズ。

今回は直前で食べた出石そばのおかげでお腹一杯だったので諦めましたが、次回以降の楽しみにとっておこうと思います。
 
 
 

■ 今回のツーリングの最後は「粟鹿神社」参拝
 
道の駅・但馬のまほろばを出たのが、午後3時ころ。
この後、今回のツーリングの最後の目的地、但馬国一宮の「粟鹿神社」へ向かいました。
 
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一之宮とは旧国ごとに一社が基本ですが、ここ但馬国では先ほどの出石神社とここ粟鹿神社の二社が全国一之宮会に登録されています。
 
ちなみに山城国では、上賀茂神社と下鴨神社がともに一之宮ですし、紀伊国では三社あります。
昔のことなので、様々な記録があり一社に決めることが難しいのでしょうね。
 

さて、この粟鹿神社ですが、和田山市街地から走ること約10分。
ここも森林に囲まれるように厳かに存在しています。
 
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但馬国随一の古社だけあって、お社はいずれも歴史を感じさせます。
2000年以上の歴史があるそうですが、頷けます。
 
粟鹿とは、鹿が粟を三束くわえて山(粟鹿山)から現れ、人々に農耕を教えたことからつけられ、粟鹿神社にその鹿が祀られているようです。
主祭神は次のの3柱です。
 彦火々出見命
 日子坐王
 阿米美佐利命(天美佐利命)
 
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■ さあ、帰ろう
 
この時点で午後3時半。
復路もやっぱり下道で帰ることに。
 
高速道路は便利だけど、やっぱり250ccのバイクではパワーが少ししんどいし、CRF250Rallyの車重では風にも強くないし、さらにGWウイークの渋滞も予想されます。
 
急ぐ旅でもないし、I藤君とゆっくり流しながら帰るのもペアツーの一つの楽しみですから。
 
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ということで、遠阪峠(ワインディングが楽しかった)、国道176号・372号・そしてあのグルービング加工の173号を経て無事に帰宅しました。
 
▼やっぱり怖いし嫌い!
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<記録>
08:15 自宅出発 ~ 12:00 出石到着 (約150km)
13:30 出石出発 ~ 14:00 和田山到着 (約30km)
15:30 和田山出発 ~ 19:15 自宅到着 (約130km)
 
走行距離は合計310kmで、ライディング時間は約8時間弱のツーリングでした。
 

I藤君、今回もありがとう。
次回はぜひ舞鶴をリベンジしよう!
 

(終わり)
今回も最後までお付き合い下さって本当にありがとうございました。
 
 
 
 
 

ここから先は、お時間があればぜひお読みください。
ありがとうございます。
 
■ 大震災と和田山物流センター
センターの竣工は1993年9月、本格稼働は94年1月。そして、その1年後に阪神地方を未曽有の大災害が襲いました。
 
阪神淡路大震災です。
 
阪神高速道路や鉄道路線も共に倒壊などの影響もあって、大阪と神戸・姫路方面の交通が遮断されました。
 
当時、大阪勤務だった僕は、会社の西宮営業所を拠点にしてミニバイクで被災地(主に神戸地区)へ物資を届けた記憶があります。

しかし、所詮はバイク。物量が限られます。
 
神戸市内の拠点はもちろん使えず、須磨や明石の事業所は使えても狭く、不足する物量を賄えません。
その時、和田山センターが役に立ちました。
 
京都にある工場から大型トラックを使って国道9号線で和田山に物資を持ち込んで、次は和田山からは中型のトラックで播但自動車道や312号線を使って姫路経由で被災地に物資を届けることができました。
 
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当然時間がかかったけど、和田山にセンターがあったお蔭でできた作戦です。
勤めていたのは飲料の会社だったので、被災地には何とか飲み物を届けたい。

日ごろご愛顧頂いている地域の皆さんのお役に立ちたいとの一心で、あの一時期は会社の全員の気持ちが一つになっていたような気がします。
 
そんな色んな思い出が詰まっている和田山の地に再訪できたことは幸せでした。
 
(今度こそ、本当の終わり)
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