■ そして内宮へ
外宮から内宮までは5~6kmくらいでしょうか。かつて歩いたことがありますが、徒歩では1時間強かかる道も車だとほんの数分です。
しかし車の場合、駐車場の問題があります。
内宮の一の鳥居前にパーキングがありますが停めることが出来る台数は限られているのでいつも満車状態です。
この日も1時間半待ちの掲示があったので少し離れた駐車場に車を停めることに。
その駐車場は、内宮から北へ土産物屋さんが立ち並ぶ「おはらい町通り」を挟んだ場所にあります。
つまり、内宮にお参りするためにはこのお土産物屋さんが並ぶ約1kmの通りを歩かなければなりません。
別にこの「おはらい町通り」を歩く必要はなく、並行している伊勢街道を歩くという手もありますが、このおはらい街通りを歩くのがまた楽しいのです。
■ おはらい町通りでランチタイム
おはらい町は伊勢の名物・赤福(餅)の本店をはじめ、郷土料理の飲食店、雑貨・食材さらには伝統工芸など何十軒ものお店が並ぶ通りで、途中には「おかげ横丁」と言う名の伊勢エリアの代表建築物を再現した特別なエリアもあります。
息子と僕はここでランチタイムとしました。彼のリクエストは「松坂牛」。贅沢な話ですが、年に一回のことですし、お伊勢参りを大切なことと思ってくれている彼の気持ちに応えることにしました。
ただ、これだけで済まないのがおはらい町の魔力、いや魅力。
結局、この後、屋台の「牛串」「天ぷら」「赤福ぜんざい」など色々と食べ歩きしてしまったことはいつもの事でもあります。
■ そしてようやく参拝の時
この日は気温もさほど低くなく、しかし空気は澄んで空は快晴というこれ以上ない参拝日和となりました。
内宮の入り口、五十鈴川に架かる宇治橋から参道を進んでいきますが、厳かな空気はいつも気を引き締めてくれます。
二見興玉神社で禊の参拝を済ませたとはいえ、内宮では手水所の後、旧式に倣い五十鈴川でも手を清めます。
そして、ここからいくつかのお社に参拝を行ってから正宮へ向かいます。
■ まずは「瀧祭神」にお取次ぎをお願いする
内宮の所管社である「瀧祭神」。ご祭神は瀧祭大神で、宮域を流れる五十鈴川の水源の神様です。さらに治水を司る神様でもあります。
この瀧祭神ですが、別名は「お取次ぎさん」と現地では呼んでいるようです。
「正宮に詣でる前に滝祭神を参拝すると、天照大神に願い事を取り次いでくれると言われている(Wikipedia)」のだそうです。
つまり、正宮の天照大御神を詣でる前に、この瀧祭神にアポを取って頂かないと願い事をお聞き届け頂けないばかりか、天照大御神に対しとても失礼なことになるということでしょう。
こういう言い方も畏れ多いのですが、天照大御神には瀧祭神という秘書役がいらっしゃるということでしょう。所管社と言いながら、社格は別宮に準じるということですから、その位置づけの高さが分かります。
しかし、実際に瀧祭神に詣でる人は少ないのが現状です。最近はネットや書物でこの情報(お取次ぎいただくこと)は発信されているのですが…
■ 続いて風日祈宮(かざひのみのみや)へ
風日祈宮は内宮の宮内別宮です。
ご祭神は外宮(豊受大神宮)別宮の風宮と同じ級長津彦命・級長戸辺命です。
内宮神楽殿前から南方へ、もしくは前述の瀧祭神の横から繋がる小径を東に向かうと鳥居があり、そこに架かる風日祈宮橋を渡るとこのお宮が鎮座しています。
第二話でも書きましたが、元寇の際に二度に亘って神風を吹かせた功績(?)により別宮に昇格(?)したということです。
■ そしてついに正宮へ
風日祈宮を後にし、続いてというか、遂に皇大神宮の正宮を参拝します。
これも第二話で書きましたが、正宮は天照大御神の和御魂が祀られる宮であり、お願いをするのではなくお礼を申し上げるところです。
したがって、いつも私は「太陽の恵み」「命を与えて頂いていること」への感謝を、感謝だけを申し上げることにしています。
さらに「荒祭宮」へと向かいます。
この荒祭宮のご祭神は、天照大御神荒御魂であることは既に書きました。
したがって、具体的なお願いごとをする場所しても構わないお宮であるのですが、ここでも私は「生きる力を与えて下さっていることへの御礼」だけを申し上げることにしています。
したがって、具体的なお願いごとをする場所しても構わないお宮であるのですが、ここでも私は「生きる力を与えて下さっていることへの御礼」だけを申し上げることにしています。
これにて今年のお伊勢参りは終了
毎年の事ですが、荒祭宮での参拝を終えると何故かホッとします。
「今年も無事に過ごすことが出来て、そしてここにお礼を申し上げに来ることが出来た」という安心感・安堵感がそのような気持ちにさせるのでしょうね。
「今年も無事に過ごすことが出来て、そしてここにお礼を申し上げに来ることが出来た」という安心感・安堵感がそのような気持ちにさせるのでしょうね。
この後、神楽殿にてお札やお守りを授けて頂き、来た道(おはらい町)を戻ります。
途中、赤福本店の「赤福ぜんざい」を食べて帰るのは毎年の恒例です。
途中、赤福本店の「赤福ぜんざい」を食べて帰るのは毎年の恒例です。
長い参道を歩き、少し疲れた体に適度な甘さのぜんざいがとても美味に思えます。(実際、美味しいですよ)
そして、今年1年の色々な出来事を思い出しながら、そして、来年の今頃にもまたお礼のお伊勢参りに来れることを願いながら、この美味しい一杯を戴きました。
(終わり)
ご覧いただき、ありがとうございました(^^♪