- (1)依頼者
- (2)画竜軒
- (3)画竜軒のマスターを探し、旭川へ
- (4)探していたのは、速水登稔(とうじん)さん
- (5)ラーメン復刻のお願い、そして受諾
- (6)厨房探し
- (7)食材探し
- (8)食材探しは続く
- (9)コーンコッチ完成
- (10)コーンコッチとの再会
- (11)そして伝説へ
(1)依頼者
依頼者は調理師の男性・吉元さん(46歳)。
子どものころ両親が離婚し、母、兄(故人)、依頼者、妹の4人で大阪に転居。
その母は朝から晩まで働き、子どもたちを育ててくれた。
この頃、自分が起きる前に出かけて、寝た後に帰ってくる母の顔を見ることは稀だったらしい。
(2)画竜軒
そんな家族だが、月に3度ほどは自宅近くにあったラーメン屋「画竜軒(がりょうけん)」に行った。
その画竜軒でのひと時が唯一の家族でのだんらんの時であった。その店はいまはもうない。
現在、調理師の依頼者だが、その自分から見ても画竜軒のラーメン以上のラーメンに出会ったことがないらしい。
母はその画竜軒のラーメン「コーンコッチ」を死ぬまでにもう一回食べたいという。
その母は今年、がんが見つかり余命1年と宣告された。
(3)画竜軒のマスターを探し、旭川へ
この回の探偵は真栄田賢(スリムクラブ)。
依頼者と真栄田探偵は画竜軒のマスターを探し出し、何とか思い出のラーメンを作ってもらおうとする。
「そのマスターは北海道旭川に転居し、陶芸家になっている」という情報を頼りに二人は北海道へ。
そのマスターは、地元陶芸協会の会長に就いているらしく、幸いにもすぐに見つかった。
(4)探していたのは、速水登稔(とうじん)さん
真栄田探偵と依頼者が尋ねると、速水さんは自身が経営する「登稔窯」の前で何やら作業中であった。
速水さんが妻の美知子さんと一緒に始めた画竜軒はちょうど10年間営業。
その後、速水さん一家はは田舎暮らしに憧れて旭川へ転居し陶芸を始めたとのことだった。
(5)ラーメン復刻のお願い、そして受諾
依頼者が事情を説明し、伝説のラーメンを再現してほしい旨を依頼する。
しかし、あれから28年間、ラーメンなど作っていない速水さんは「同じものをつくるのは無理」と断る。
その時、速水さんの妻・美知子さんが、
「お父ちゃんが作ったら、お父ちゃんの画竜軒のラーメンになる。きっと魔法がかかる」
「ええことしよ。 なぁ、お父ちゃん。 行っといで」
と背中を押す。
この時の美知子さんの言葉は、まさに天使の様だった。
その言葉を受け、速水さんは依頼を受けることを決意。大阪に向かう。
(6)厨房探し
大阪に到着した速水さんと真栄田探偵一行は、コーンコッチを再現するために厨房を探す。
当時、画竜軒によく通っていた子どもが大阪市鶴見区でラーメン屋を経営しているという情報に基づき、ここを頼ることに。
そのラーメン屋とは、「鶴麺 鶴見本店」。この店のオーナーの大西さんが、その時の子どもということ。
大西さんは現在、米国ボストンに在住し、ボストンでラーメン店を経営している。
鶴見の店は弟子の西村さんが店長として担当。
そして西村さんがボストンの大西さんへ国際電話し、速水さんの依頼を伝える。
(7)食材探し
速水さんからの依頼に対し大西さんは、「速水さんのラーメンを食べてラーメン好きになって、そして自らがラーメン店を経営している」と答え、厨房は好きに使ってくれと依頼を快諾する。
次は食材探し。まずはスープを作るために鶏ガラや豚骨を探しに昔仕入れていた会社(株式会社アラカワフードサービス)に行。
すると、当時、画竜軒に配達をしていたという社員が応対し、スープづくりの材料が手に入る。
(8)食材探しは続く
次にラーメンに入れるコチュジャンを探しに鶴橋へ。
ここで以前の仕入れ先であるカレン商店へ行くと、当時のままのコチュジャンが手に入る。
「これがないとウチのコーンコッチは作れない」と喜ぶ速水さん。
最後は麺である。しかし当時、麺を仕入れていた会社はもう無くなっていた。
そこで、近くの製麺所(株式会社ツルミ製麺所)を頼ったところ、今回の依頼の為に特別に製麺してくれるという。
まさに奇跡が続く。
(9)コーンコッチ完成
伝説のラーメンを再現するために必要なすべての食材を準備できた。
ついに速水さんはスープづくりを始める。
30年近いブランクだが、さすがに10年のキャリアは伊達じゃない。
西村さん曰く「大胆な手順」で、丸二日をかけてついに伝説のラーメンが完成。
(10)コーンコッチとの再会
依頼者の母に念願の食べてもらう時が来た。
ここまでの経緯を何も知らされていない母を連れて依頼者が鶴麺にやってくる。
依頼者が「おすすめのラーメン」を注文。
その注文を受けコチュジャンやコーンをラーメンに入れていく速水さんの手順を見ていた母は、「画竜軒みたいやな」とつぶやく。
やがて、速水さんは「画竜軒のコーンコッチです」と完成した伝説のラーメンを依頼者の母に差し出す。
「えっ? いま、画竜軒って言った」「なんで画竜軒を知っているの」と速水さんに聞く依頼者の母。
「僕がやってました」「今日だけです」と正体を明かす速水さん。その感激のあまり涙を流す依頼者の母。
(11)そして伝説へ
ここで真栄田探偵が現れ、今回の一連の経緯を依頼者の母に明かす。
そして、「長生きできるように頑張る」と依頼者の母が力強く語る。
その姿を見て、速水さんは「やってよかった」と号泣する。
放送はされなかったのですが、この時、厨房そして店舗を貸した鶴麺のオーナーである大西さんが、ボストンから駆け付けたそうです。
厨房を貸してと頼まれたとき、「僕が一番食べたいくらいなんですけど」と答えた大西さん。
「この機会を逃したら一生の後悔や、なんとしても食べたい」と急きょボストンから飛行機で飛んで来た大西さん。
その話はブログ本編で書きたいと思います。