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「関西ハンバーガーカフェ巡礼」も気づけば第4弾になりました。
第1回は及第点、第2回は大失敗、そして悔しさを胸に挑んだ第3回は大成功。まるでジェットコースターのようなシリーズですが、それがまた楽しくて続けてしまいます。
ハンバーガー巡礼のルール
この巡礼には、僕なりの小さなルールがある。
【自宅から往復100km圏内】
片道にして1時間半程度。無理のない範囲で行ける場所に限定する。
【予算は3000円】
ガソリン代、ハンバーガー代(ポテトやドリンク込み)をすべてこの中で収める。
【余ったら帰りにコーヒー】
もし予算が余れば、その金額内で帰りにコーヒーを飲んで締める。
この「小さな縛り」が、旅をゲームのようにしてくれる。 ただ食べに行くだけではなく、ちょっとした冒険になるのだ。

今回の巡礼先は東の横綱
今回の目的地は、奈良県山添村にある、以前からのお気に入りのハンバーガーカフェ、
Luana from 一服屋さん
行き先のエリアだけ決めて、あとは Google マップで検索し、そして営業時間、バイクの停めやすさ、価格帯、口コミなどを総合して店を決めるのが、このハンバーガーカフェ巡りのルールだが、今回は例外。
「どうしてもあの味が食べたい」
そんな衝動に勝てず、過去5回ほど訪れているお気に入りの店を選んだ。
この店は、かつてバイク情報番組 Like a windで紹介されたお店ということで、初めて訪れたのはもう数年前になる。
この店のオーナーさんは、普段は燻製食品の会社を経営している方で、週末だけカフェを開く。 そのこだわりが、ハンバーガーにも存分に生きている。
ホントに素晴らしい味で、先日訪問した「ハサムンクロドニー」さんは西の横綱とするど、「Luana from 一服屋」さんは東の横綱というところだ。
魔法のハンバーガー
店に到着したのは11時10分。 第2回の失敗(到着時間が遅く入店できなかった)を教訓に、最近は早めに行くようにしている。
先客は1名だけで、その後にもう一組来たが、店内は落ち着いていて、ゆっくりと食事ができた。

今回注文したのは、燻製ダブルバーガー。
あえてチーズやベーコンなどのトッピングは外し、純粋に燻製パティの味を楽しむことにした。
さてテーブルに届いたハンバーガーがこれ。
食べると肉汁がじんわり滲み、燻製の香りがふわっと立ち上がる。その風味は美味しすぎて思わず笑ってしまうほどだ。

実は僕は、もともと燻製はそこまで好きではなかった。
しかし、この店の燻製バーガーを食べた瞬間、価値観がひっくり返った。
苦手を好きに変えてしまう、そんな魔法のような力がこの店にはある。
今回も例外なく、美味しくいただいた。

名所めぐり
ハンバーガー巡礼では、店の近くにある名所を訪れるのもルールのひとつだ。
今回は、柳生の里へ向かい、「柳生一刀石」を見に行くことにした。
柳生一刀石とは大きな岩のことで、刀で「一刀両断」したようにその岩がパカっと割れているらしい。
人気アニメ『鬼滅の刃』で主人公・竈門炭治郎が岩を一刀両断するシーンのモデルとして知られ、県内外からコスプレイヤーが訪れるスポットでもあるらしい。
歴史的にも、柳生新陰流ゆかりの地として有名で、アクセスはやや大変だが見どころは多い。
「Luana from 一服屋」さんからは、バイクで約11km、15分くらいで柳生の里に到着できた。
運動不足を痛感
一刀石は小山の上にあり、バイクや車では行けない。 したがって、麓の駐車場から約15分、距離にして700mほどの”酷道”を歩いていく。
なお、麓には無人の駐車場があり、バイク料金は150円。コイン入れに150円を入れ、いざ出発したものの、これがなかなかの急坂だった。

運動不足の身には堪える道で、人気のない山道を一人歩いていると、自然と呼吸が荒くなる。

やがて鳥居が見えてきた。 周囲には大きな岩がゴロゴロしていて、まるで巨人の遊び場のようだ。

ここには「天乃石立神社」という神社があり、ご神体はなんと岩だ。古来の信仰のスタイルがそのまま残っているようで、空気がどこか厳かだった。
衝撃の看板
歩きながら、ふと頭をよぎった不安があった。
「ここ、クマとか出たりせえへんよな?」
最近は全国的にクマの出没が増えている。関西も例外ではないし、近くの若草山ではクマが出たというニュースがあったことを思い出した。
ただ、麓にも道中にも注意喚起の看板はなかった。それが唯一の心の支えだった。
しかし、神社のお社に着いた瞬間、目に飛び込んできたのは『クマ出没注意』 の看板だった。

ここで恐怖が一気にマックスに達した。
目当ての一刀石は、神社からさらに50mほど奥にある。そこには道らしい道はなく、木の根を踏み越えながら進むのだが、この看板を見たおかげでさらに恐怖が膨らむ。

身震いするほどの力強さ
山道は静かすぎて、落ち葉を踏む音だけが響く。熊の看板を見た後だったので、背中にじんわり汗が滲む。
それでも一刀石が視界に入った瞬間、思わず息を飲んだ。光を浴びて浮かび上がる裂け目は、写真で見るよりずっと迫力がある。

一方、身震いするほどの力強さも感じた。不謹慎かもしれないが、パワースポットのように何かしらのパワーを授けてもらえるような感じもしたのだが、先ほどの看板のこともあり、ここには長居はできない。
写真を撮り、そそくさと帰ることにした。

駐車場への帰り道では、
「こんなおっさん食べても美味くないぞ」
「頼むから出てくんなよ」
と祈りながら、しかし臨戦態勢だけは整えて歩いた。
駐車場に戻った瞬間、心の底から安堵した。あんなにホッとしたのは生まれて初めてかもしれない。
正常性バイアス
駐車場で帰り支度をしていると、どこからか鈴の音が聞こえてきた。 すると近所の年配の女性が二人、手押し車を押して歩いているのが目に入った。
その手押し車に鈴がついていたのだ。
「ああ、やっぱりクマは出るんだ…」
そう思った瞬間、背筋がゾッとした。

「こんなところでクマ被害に遭うわけがない」
そんな先入観は、今日をもって捨てることにした。
リスク管理の最大の敵は 正常性バイアスだ。仕事で企業研修の講師をしている僕は、リスクマネジメントの話をする際によくこの話題を持ち出す。
「熊になんか遭遇するわけはない。大丈夫だろう」と思い込んでしまう、あの油断。まさに正常性バイアスそのもので、今回はそれを痛感した。
エピローグ
柳生の里の麓を出発したのは12時40分。
この日は天気もよく気温も高いし、このままツーリングを続けるという選択肢もありましたが、先ほどのクマの件が頭をよぎり、素直に帰路につくことにしました。
ハンバーガーカフェ「Luana from 一服屋」さんでは、帰り際に店内で販売されていたドーナツをひとつ購入しました。

「自宅に戻ったら、それをおやつにしてインスタントコーヒーを淹れ、午後はゆっくり過ごそう」そう思いました。
さて、この日使ったお金は、ハンバーガーとドーナツで2300円。ガソリン代を含めても合計2600円ほどで、予算は400円余ることになりました。その400円は貯金することにした。
そして今後も余りが出たら貯金し、5000円貯まったら“ちょっと贅沢なハンバーガー巡礼”をするという新ルールを設けることにしました。
こういう小さな楽しみが、旅を続けるモチベーションになりますね。

帰り道、奈良公園の近くを通ったとき、静かに戯れる鹿の群れが目に入った。さすが鹿は平和の象徴のようで、見ているだけで心が落ち着きます。
柳生の里では恐怖もあったが、学びも多かった今回の関西ハンバーガー巡礼第4弾。
次のハンバーガーカフェ巡礼はどんな一日になるのか、今から楽しみです。
(おわり)
ハンターカブで行く「KANSAIハンバーガーカフェ巡礼」シリーズは、全話コチラでご覧いただけます。
ぜひ覗いてみてください。
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