聖地巡礼のバイク旅

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地元の秋季例大祭が終了しました




久しぶりにブログを更新します。

「巡礼」には若干関係あるけど、「ツーリング」とも何の関係もないの話ですが、先週末に地元氏神様の秋季例祭が行われました。

そして、その奉納行事である「だんじり曳行」が無事に終了することができました。
東大阪近隣の方以外には知られていないのですが、我が地域にも明治の初期から「だんじり」があって、神社の秋季例祭の行事として連綿と受け継がれているのです。

忘れない内に申し上げますが、この場を用いて、関係者の一人として、ご支援ご協力を頂いた皆さんにお礼を申し上げます。

この祭りは東大阪のある地域の小さな村祭りですが、先祖から受け継いできた歴史と伝統のある行事であり、僕はこの地に生まれ育ち50年になりますが、ずっとこの祭りに参加してきたことはそれなりに誇りを持っています。
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神社の例祭日とだんじり曳行

さて、どこの神社でもそうですが、例祭日は〇月〇日と日にちが決まっています。
その例祭日に合わせて、様々な奉納行事が執り行われます。

 「祇園祭(京都・八坂神社)」の山鉾巡行
 「天神祭(大阪・大阪天満宮)」の船渡御
 「祇園例大祭(博多・櫛田神社)」の博多祇園山笠
などは全国的にも有名な奉納行事ですね。

最近では、岸和田のだんじり祭りもかなり有名になりましたが、これも地域の各神社で行われる例祭に関する奉納行事の一つです。

先述の山鉾巡行(祇園祭)、船渡御(天神祭)などは曜日に関係なく実施日が決まっていますが、これは神社の例祭日に合わせているからです。

一方、岸和田はじめ泉州地域は、昔と違って今は「神社の例祭日」と「だんじり曳行」は切り離して考えられています。

このように神社の例祭日とだんじり曳行などを分離して考えるのは、これらの行事には多くの人手を要するからであり、曜日に関係なく例祭日に開催するのと土日などの休日に開催するのとでは、その動員数が大幅に異なることがその最大理由だと思います。

この数年間、関西の各地域でも泉州に倣うようにだんじり曳行などの奉納行事は神社の例祭日に近い土日などに実施する地域が増加しています。
それはそれで意義のあることだとは思います。


しかし、我が地元では、未だに神社の例祭日に合わせてだんじりを曳行するという伝統を守っています。
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それは、だんじり曳行は神社の例祭に合わせて行う奉納行事なのでこれらを分離することはできないという頑なな考え方からです。
年ごとの巡りによるので、例祭日と休日とが重なることもあるのですが、それは数年に一度の事です。
これまでの、そしてこれからのカレンダーを見ても曳く日は殆どが平日です。



昔と今とでは条件が異なるのですが・・・

私の住んでいる地域も、祖父の代くらいまでは専業農家が多かったこともあり、祭礼が何曜日になろうが全く関係なかったようですし、サラリーマンが増えだしてからも、我が地域では「祭りの日は有休をとる」「その為に普段は休まず一所懸命働く」という先人たちが多かったと記憶しています。

しかし、近年はそうも言っていられなくなりました。
有給休暇は法律で定められた労働者の権利といっても、現実の世界ではそうは簡単にいきません。

祭礼日が「月&火」や「木&金」になる時は、結果として4連休になります。「火&水」でも「水&木」でも大差なく、週7日の間、4日も休むのはサラリーマンとしては困難であることは否定しません。

加えて、自営業であっても、「今週の月&火は祭礼の為、営業を休みます」なんてことをやったら顧客離れが起きるという声も多く聞きます。
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だんじり曳行は、土日にすべきという意見

そんな中、我が町は未だに愚直に神社の例祭日に合わせただんじり曳行を行っています。
これには賛否両論あることは百も承知です。

前述の通り、「だんじり曳行を実施するのは神社の例祭日のみ」ということは、仕事や学校が休めないので参加したくても参加できないという声を無視することに等しいと言えます。

これがだんじり曳行と神社の例祭日を同日にするという考え方に対する否定的意見の最大意見です。
この参加希望者の声を同時にこれは人手不足の問題も引き起こします。

祭りの伝統を後の世代に残すという点で考えると、人手不足は死活問題でもあります。

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いや、神社の例祭日に合わせて行うべきという意見

一方、賛成意見の主流は、だんじり曳行はあくまで神様に対する奉納行事であるのに、例祭日に関係の無い日に行っても何の意味もないという考え方です。

神社の例祭日とだんじり曳行は別物としてしまうと、それはもはや奉納行事ではなく、「単なる地域のイベント」になってしまうという意見です。

僕の住む地域は農村です。今でも多数の農家が残っており、我が家もかつては農業をしていました。
農村にとっての秋祭りは、当年の五穀豊穣を祝い、そして翌年のそれを願う神聖な儀式です。

その神聖な儀式に華を添える行事として世紀を超えて行われてきたものを曳き手の勝手な事情で土日に開催するというのはどうかというのはある意味で正論だと思います。

なお、僕は神社の例祭日に合わせてだんじりを曳くことが氏神様への感謝を表すことであり、それは氏子の義務であると考えています。つまり、頑なな考え方の一味に属しています。
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何が正解なのかは分からないが・・・

この話をすると長くなるので、今回はこの程度にしたいと思います。
地域内でも20年近く議論してきましたが、堂々巡りです。
決して棚上げにするつもりはありませんが、簡単に決める事の出来ない問題なので。まあ、我々の子ども達の世代が何等か解決してくれると思いますので、今の時点で賛否の両論を無理やりまとめなくとも良いのではないかと大らかに考えています。


さて、今年も例祭日に合わせて無事に開催できたし、そして天候も良く気温も快適で、事故もケガもありませんでした。
我が家のキンモクセイもきっちり祭りにタイミングを合わせてくれました。
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来年の神社の例祭日は見事に土日なので、参加人数は今年よりも増えるでしょう。
あと364日のカウントダウンがまた始まりました。


(おわり)


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