お疲れ様です。
今回は、バイクネタではなく巡礼ネタ(神社祭礼関係)です。
”だんじり”について書きますので、ご興味ない方はスミマセン。
■我が地域の秋祭りが終了
今年の地元氏神様の秋季例大祭(つまり神社の秋祭り)が終了しました。
ところで、岸和田で有名な"だんじり"ですが、
我が地域でも神社の秋祭りに合わせ、だんじりを曳きます。
我が地域でも神社の秋祭りに合わせ、だんじりを曳きます。
昨年は、だんじり曳きの日程はなぜか全て台風が襲来しましたが、
リベンジに燃えた今年は全て晴天の下、無事に曳き終えることができました。
リベンジに燃えた今年は全て晴天の下、無事に曳き終えることができました。
▲曳行前の安全祈願祭
さて、神社の秋季例大祭の日は、毎年10月の中旬。
”第3日曜日”など曜日で決まっているのではなく日にちが固定されています。
そして、この日を軸に神社の氏子である4つの町会がそれぞれに所有しているだんじりを曳きます。
しかし近年では、平日の祭りとなると人出が集まらないので、
だんじり曳行は神社の例大祭の日に近い土日に行うと決めた氏子町会もあります。
だんじり曳行は神社の例大祭の日に近い土日に行うと決めた氏子町会もあります。
▲氏神様・長田神社
その結果、数年前から我が神社の氏子地区では、
だんじり曳行の日が地区間でバラバラになるという事態が生じました。
偶然にも昨年や今年は、神社の秋季例大祭の日が日曜日と重なりました。
その結果、だんじり曳行日も揃いましたし、
かなり多くの人出があり例年よりも祭り全体が活気づいたと感じています。
▲宮入した4基のだんじりと鏡開き
ただし、これは一過性のものでしかありません。
来年以降は、また平日開催の祭りになってしまいます。
来年以降は、また平日開催の祭りになってしまいます。
■だんじりと言えば、泉州岸和田が有名です
ひと口に“岸和田”と言っても範囲が広いです。
岸和田市は大阪府の南部にある人口20万人の都市。
大阪湾から和泉山脈に至る東西約8km、
南北には17kmの地域です。
その岸和田市の中でも、南海本線から北西に広がる、
旧市とか春木などと呼ばれる地域があります。
旧市とか春木などと呼ばれる地域があります。
9月中旬の敬老の日の直前の土日で開催される、
その地域のだんじり祭りが最もメジャーな存在です。
(以下、便宜上、この祭りを岸和田だんじり祭りと言います)
(以下、便宜上、この祭りを岸和田だんじり祭りと言います)
その岸和田だんじり祭りですが、最も古いところでは、
400年の歴史があると言います。
400年の歴史があると言います。
そして、このお祭りは明治以降の100年以上の長きにわたり、
9月14日~15日を祭礼の日と定め開催されてきました。
9月14日~15日を祭礼の日と定め開催されてきました。
この日がだんじり曳行の日と決まった理由は言うまでもなく、
この2日間が当該地区の氏神様(岸城神社や岸和田天神宮など)の
例大祭の日であったからです。
この2日間が当該地区の氏神様(岸城神社や岸和田天神宮など)の
例大祭の日であったからです。
この9月15日は、昭和41年に祝日として定められたことにより、
岸和田だんじり祭は2日間の祭礼日(つまりだんじりの曳行の日)の後半の1日は
多くの人にとって休日となりました。
岸和田だんじり祭は2日間の祭礼日(つまりだんじりの曳行の日)の後半の1日は
多くの人にとって休日となりました。
しかし、平成16年以降、敬老の日は9月第3月曜日と変更になりました。
これにより問題が生じました。
これにより問題が生じました。
■祭りの経済効果
その問題とは、岸和田だんじり祭りが生む経済効果です。
平成16年・17年の9月14~15日は平日となってしまったことによって、
岸和田だんじり祭を見物に来る観光客が激減したのです。
岸和田だんじり祭を見物に来る観光客が激減したのです。
15日が敬老の日であった時代の2日間の観光客の総計は約60万人。
これが平成17年になると36万人まで激減しました。
これが平成17年になると36万人まで激減しました。
岸和田市の人口は20万人であることを考えると、これはすごい数字です。
ここで、岸和田のある町会で重責を担う方に聞いた話を書きます。
平日開催に伴う観客の激減に慌てたのは、
地元よりもむしろ岸和田市(役所)であったそうです。
市が問題視したのは経済へのダメージ、
つまり経済効果の減少ということです。
最近の試算では、祭りの2日間で60万人が使ってくれるお金を含めた
諸々の経済効果は30億円近いそうです。
たった2日間の祭りの為に30億円が消費されるとは、そりゃすごいことですよね。
市が問題視することはよくわかります。
市が問題視することはよくわかります。
■岸和田だんじり祭りの日程が変更に
このような背景の下、市から祭りの日程を変更してほしい旨の要請があったそうです。
そして、従前の9月14日~15日を敬老の日の直前の土曜日~日曜日に変更し、
だんじり祭りが開催されることになったそうです。
だんじり祭りが開催されることになったそうです。
この市からの要請に対し、当初は反対意見が大勢であったそうです。
地元各町会の曳き手の皆さんの8割以上は反対の意を示したといいます。
そもそも、平日だろうが何だろうが、参加している曳き手には関係なかったそうです。
▲大北町のだんじり
実際、平日開催の時でも、曳き手人数に大きな影響はなかったと聞きます。
(これには地区間で多少の状況の違いはあったようですが)
むしろ、伝統の日程を変えることへの違和感と反発があったようで、
喧々諤々の議論があったそうです。
喧々諤々の議論があったそうです。
ただ、最終的には大人の対応(?)をすることになり、
岸和田市からの要請を受け入れることになったそうです。
岸和田市からの要請を受け入れることになったそうです。
■さて我が町では
僕が暮らす地域のだんじり祭りは、小さな村祭りです。
そもそも地域外からの観客など殆ど来ません。
最近はビデオ撮影している人はやや増えてきましたが。
また、一つの地区(町会)において、一回の祭りで動くお金は数百万円程度です。
平日にやろうが、休日にやろうが地域の経済には何ら関係がありません。
ところで、最近ちょっと思う事があります。
それは祭りの日程についてのことです。
これまでの長きに亘り、平日であろうが、休日であろうが関係なく
神社の例大祭の日にだんじりを曳いてきました。
不思議なことに我が地区に限っては、日にだんじり曳行を行っても
何とかやり切れる程度の曳き手は集まりました。
僕も、大学生であった頃から今に至るまで、
祭りの時は学校も仕事も休んで参加してきました。
祭りの時は学校も仕事も休んで参加してきました。
我が地区には、僕と同じような考え&環境の人がまだまだ多いので、
休日開催にしないと祭りが成立しないというほどでもありません。
休日開催にしないと祭りが成立しないというほどでもありません。
ただし、これは過去形の話です。
■受け継いできた伝統を次代に繋いでいくために
今までは、平日だろうが休日だろうが関係なくやれてきました。
しかし、今後はどうなるかを考えなくてなりません。
「祭りに参加したいけど、平日開催の場合は仕事や学校の関係で参加できない」
と仰る人が少なくないのです。
そう考えるとその方の積極的な気持ちに応えられていないという点で
申し訳ないという気持ちにもなります。
申し訳ないという気持ちにもなります。
今までは、自分たちが出来てきたので問題ないと考えていましたが、
それは偏った考え方だと思うようになってきました。
つまり、「参加したい人が参加できるやり方を整える」
という視点が必要かと思います。
という視点が必要かと思います。
■議論をはじめなくては…
岸和田でもそうであったように、我々の地域においても
これまでの伝統の日程を変えることに対しては反対意見も多く、
これまでの伝統の日程を変えることに対しては反対意見も多く、
変更は容易ではありません。
そもそもだんじり祭りは、神社の例大祭の行事であるので、
神社を蔑ろにして決めるわけにもいきません。
神社を蔑ろにして決めるわけにもいきません。
また、地域の文化として受け継いできた伝統を
次に繋がないといけないという責任もあります。
次に繋がないといけないという責任もあります。
一方、多くの方が参加できるようにしなければ
文化と伝統を繋ぐことは難しくなっていくのは必定です。
文化と伝統を繋ぐことは難しくなっていくのは必定です。
これらの事情は背反の関係にあることは百も承知です。
なので、これまでその場しのぎの議論しかせず、
問題の先送りをしてきたように思います。
背景は違うまでも、あの岸和田も日程を変更し、
今はそれが根付きました。
みんなが楽しめて、次代に繋ぐ祭りの在り方。
それを実現するため、みんなで知恵を出し合い、
多くの人が納得できるいい方向を見出す時期が来たように思います。
年号が変わるこの時期がその時期だと思えてなりません。
(おわり)