- プロローグ・・・昔の仲間との懇親会の話
- 梅田へのアクセスと本町駅
- 本町駅と言えば…
- ヴァンズ凸は何の会社?
- 進化系COMPANY・ヴァンズ凸
- 車内のアナウンス広告が違う!
- アナウンス広告の効果を考証してみる
- エピローグ
プロローグ・・・昔の仲間との懇親会の話
先日(7/13)は、かつて務めていた会社の仲間たちとの定例の懇親会があった。
20年ほど前から毎年このメンバーと北海道旅行をご一緒しているが、その旅行の事前打ち合わせやら反省会やらで、季節ごとに飲み会をすることが恒例になっている。
毎回、①まずは居酒屋で一杯やって、②そのあとカラオケで戦い(カラオケで点数を競い、その成績に合わせて負担する金額が変わるルール)、③バーなどでちょっと軽く飲んで、④ラーメンで〆て終わるのが概ねの流れとなっている。
今回は1次会で梅田・お初天神近くのお店で土佐料理を楽しんだ。
土佐料理というと鰹がその代表だろうと思うが、個人的には酒盗と辛口の日本酒とのマリアージュが堪らない。
そして、土佐料理と言えば皿鉢料理(大きな丸い皿に色々な料理が盛り付けてある様式)のイメージがあるが、このお店はそんな感じでもなかったので、そこは少し残念な感もあった。
ただ、これはこれで美味しかったし、それなりに堪能できたし、何よりも気のおけない仲間との懇親はやはり楽しく、時間が経つのを忘れてしまった。
ちなみに、この夜の〆は天下一品のラーメンだった。
ビール・ワイン・チューハイ・ビールときて、終電にギリギリ間に合う時間に天下一品ラーメンを食べて帰るというのは、年齢を重ねた男がすることではないと翌朝に気づいた。笑
鰹と言えば2020年11月「Like a wind 聖地巡礼 四国ツーリング」の際に立ち寄った「土佐かつお道場(高知市)」というお店を思い出す。
ここは鰹を自分で藁焼きにして食べることを経験させてくれるお店で、炙りたてで、焼けた藁の匂いが残る鰹に粗塩を少し振りかけて食べたのは本当に美味しかった。
その時の模様もブログにまとめてあるので、ご一読いただけると幸いである。
梅田へのアクセスと本町駅
さて、この懇親会はメンバーの住まいの都合で梅田近辺で行うことが多い。
今回も梅田・お初天神近くのお店での飲み会だったので、大阪メトロ(地下鉄)を使って梅田へ行った。
僕が大学2年生の時、地下鉄・中央線が東へ延伸し、自宅から徒歩5分の場所に新駅ができた。これにより自宅から梅田や難波へのアクセスが格段に良くなった。
自宅からは、中央線で本町駅まで行き、そこから御堂筋線に乗り換えるのだが、梅田までの実乗車時間は18分で、駅までの徒歩時間や乗り換え時間を含めても30分少々で梅田へ行ける。
この乗り換えの駅・本町駅は、大阪の中央部を東西につなぐ中央線、そして南北につなぐ御堂筋線と四つ橋線がリンクする主要駅で、1日の乗降客数は約20万人だそうだ。
これは梅田(41万人)、なんば(33万人)、天王寺(24万人)に次いで4番目の多さだそうで、まさしく本町駅は大阪の公共交通の要衝と言っても過言ではないだろう。
本町駅と言えば…
そして、その本町駅近くに本社を構えるのが、バイク情報番組・Like a windを制作する株式会社ヴァンズ凸である。
そのヴァンズ凸のホームタウンである本町駅では、Like a windの広告をたくさん見ることができる。
まず、中央線のホームから御堂筋線のホームへ向かう途中の階段には、こんな広告がドカンと目に入る。
このように現在(2024年7月現在)はライクアウインジャーの可愛いイラストが広告になっているが、コロナ禍では以下の写真の通りだった。
「さよなら三角また来て四角」から何を連想させようとしているのかは全くもって不明だが(笑)、コロナ第11波に晒されている昨今「手洗い・うがい・マスク」というメッセージは改めて大切にしたいと思う。
この対コロナ広告の前は、ツーリングライダーの夢を刺激するこんな広告が続いた。
ヴァンズ凸は何の会社?
ところで、株式会社ヴァンズ凸とはどのような会社なのだろう?
Like a windを視聴していると、必ず「動画のことならヴァンズ凸 ヴァンズ凸」という短いフレーズのCM曲が流れる。
(6:09からヴァンズ凸のCM広告)
なお、CMで流れるこの曲は、Like a windスタッフであり、プロ音楽家のガクちゃん(木村岳氏。別名・浪速のヴェートーベン)の作品である。
このCMの通りだとすると、ヴァンズ凸とは企業・商品などに関するプロモーション映像制作の会社なのだが、こうやってヴァンズ凸の広告看板の変遷を見てみると、広告メッセージの中身が変わっていることに気づく。
たしかに以前はこのように「動画戦略」や「映像制作」といった文字が並んでいた。
しかし、最新の看板には、「技術会社→制作会社→PR会社へと進化している企業」というメッセージに変わっている。
進化系COMPANY・ヴァンズ凸
同社のその変遷を裏付ける事実が2つある。
1つ目はライブ配信だ。
2019年コロナで自粛ムードが急速に広まった頃、大阪南港ATCに特設ステージを設け、ここから特別番組「O(大阪から)M(みんなを)C(ちょっと)S(スマイルに)」(YouTube)を生配信したことは強く記憶に残っている。
最近でも、ライクアウインドGP2024をライブ配信していたし、ビジネス系では株主総会のライブ配信を手掛けたりもしている。
ライブ配信は現在のヴァンズ凸のコア・コンピタンスの一つなのだろう。
本町駅の改札外にある広告
そしてもう1つが、PR会社としての立ち位置だ。
ヴァンズ凸は、番組制作を通じて培った経験とスキルを活かして、イベントやキャンペーン企画などを手掛ける会社としても進化している。
例えば、東西のさんふらわあ運航会社が経営統合し、株式会社商船三井さんふらわあが発足したことを機に「端っこスタンプラリー」というキャンペーンが進行中だが、これはヴァンズ凸が提案した企画らしい。
当初、こんな無茶な企画に乗る(参加する)人は本当にいるのだろうか?とも感じたが、ふたを開けてみるとこれが大盛況だという噂を聞いた。
確かに、Like a windという番組に関連して、鹿児島県大隅地域の振興企画などにも多く関わってきた会社なので、PR企画に関しては一定の実績もある。
いずれにしても、経営環境が目まぐるしく変化する中で、自分たちのスキル(コア・コンピタンス)を活かし、新規事業への転換に成功している好事例だと思う。
かつてダーウィンが言った(かどうかは知らないけど)「環境の変化に適合できる変異を得たものが生き残る」というのはビジネスの世界ではもはや当たり前だ。
そのように考えると、ヴァンズ凸という会社が今後どのような変異を遂げていくのかについて大いに興味を持っているし、ラ族としては当然のこととして注目していきたい。
車内のアナウンス広告が違う!
さて、このように本町駅構内ではヴァンズ凸やLike a wind関連の広告を目にすることができるのだが、先日は本町駅に到着する直前の中央線の車内で驚きのアナウンスが流れた。
それがこれだった。(クリックすると音声が流れます)
大阪メトロ・中央線の車内アナウンスの録音に成功!
— 巡礼ライダー (@JunreiR) July 14, 2024
(堺筋本町駅を出発直後)
これを聴けた人には幸運が訪れる?😆 pic.twitter.com/aocIT5FjTM
この音声を聞けない方もいると想定して、テキストで紹介するとこの通りである。
「オートバイ専門テレビ番組・Like a windを放映するヴァンズ凸へお越しの方は次でお降りください」
大阪メトロでは、各駅に到着する直前にその駅の周辺にあるお店や企業のアナウンス広告が流れるのだが、僕が驚いたのは、上記の通りヴァンズ凸のアナウンス広告だったからだ。
ラ族歴10年以上の僕としては驚きと感激でいっぱいで、本町駅で降りることを忘れそうになったほどだったが、「車内アナウンス広告まで出しているとは!!」と感嘆符で述べたくなるほどの衝撃だった。
長い間、本町駅のアナウンス広告と言えば某ゴルフ用品店ばかりだった。今でもそのゴルフ用品店の広告は流れているが、そこにヴァンズ凸のアナウンス広告が割って入ったのだから、驚きと感激に加え、半端ない嬉しさが加わった思いだった。
アナウンス広告の効果を考証してみる
同時に、中央線の乗客へ向けての「オートバイ専門テレビ番組・Like a windを放映するヴァンズ凸へお越しの方は次でお降りください」というアナウンス広告はどれだけビジネス効果を生むのか?という純粋な疑問も湧いた。
仮にビジネス客をターゲットにした広告ならば、中央線ではなく御堂筋線を選択すべきなのだろう。
しかし、このアナウンス広告に込められたメッセージは、ヴァンズ凸の企業アピールというよりも、むしろLike a windという番組名のアピールなのではないかと考えれば腑に落ちた。
というわけで、その仮説に対して自分なりに考証してみたいと思う。
考証1(Like a windは必要か)
企業紹介や商品サービスの動画や映像制作を行う会社としてのヴァンズ凸をアピールするのであれば、アナウンス広告の中で「オートバイ専門テレビ番組・Like a wind」という言葉を用いる必要はない。
むしろ、「企業紹介や商品サービスの動画や映像制作のことならヴァンズ凸。ヴァンズ凸へお越しの方は次でお降りください」など、ヴァンズ凸という企業名をアピールすべきだと思う。
あえてここでLike a windという言葉を用いるのは、Like a windをアピールしたいためと考えるのが自然ではないか。
考証2(広告効果)
このアナウンス広告に関して、大阪メトロのHPに以下の宣伝が記載されている。
- 車内ガイド放送は約9割の方がご存知!
- 放送で聞いたお店や企業を約6割の人が覚えている!
- 放送を聞いて10人に2人が検索や話題にあげ行動している!
このような効果があるそうだ。
実際、本町駅近くで勤めている僕の娘も「そういえば、地下鉄でLike a windとか言ってた」と話してくれた。
妻や娘は、僕がよく話すのでLike a windのことはよく知っているからかもしれないが、これはまさしく上記の2に当てはまることになる。
考証3(潜在需要とフォローアップ)
地下鉄・中央線とは、大阪港から奈良を東西に結ぶ路線だが、朝の通勤通学の時間帯では、我が地元・東大阪市から西(つまり本町駅方面)へ向かう乗客で大混雑するが、逆方向の本町から東行はかなり空いていることからも、ビジネス路線ではなく生活路線であることが分かる。
そして、中央線の西の起点・コスモスクエア駅から東の起点・長田駅までは、サンテレビは確実に受信できる。つまり「潜在的ラ族」が多く住まう地域であるといえる。
その潜在的ラ族に対して、オートバイ専門テレビ番組・Like a windという響きを意識させることの効果は大いにあるだろう。
また、すでにラ族となっている人たちには「おお~」と思わせる効果もある。これはつなぎ止めのためのフォローアップとして有効な手段だろう。
考証の結論
では上記の3つの考証を整理してみたい。
このアナウンス広告の戦略は、中央線沿線に住むバイク乗りに対してオートバイ専門テレビ番組・Like a windの存在を意識づけるものであると推察する。
さらに、中央線から御堂筋線に乗り換える乗客は、その多くがこの看板を目にする。これはアナウンス広告との相乗効果を狙ったものに違いない。
そして、この相乗効果は、その延長上に新たなLike a wind視聴者を生み出す。
そして、こういったLike a windを通じた仕掛けは、ヴァンズ凸の映像制作および配信技術、PRサービス企業としての認知度を高めることに繋がり、その延長上にLike a windを含めた自社ビジネスの総合的な成長が実現できるという、同社が仕掛ける「壮大な自社マーケティング戦略」であると結論付けたいと思う。
そしてもちろん、ヴァンズ凸の戦略がどのように功を奏していくのか、ぜひ興味を持って注目していきたいと思う。
エピローグ
このブログを書こうと思い立った時、シンプルに本町駅到着前に録音したアナウンス広告のことだけを紹介しようと思っていた。
しかし、もともと仮説と検証が好きな性分なので、「これを述べるにはあの話も、あの話をするにはこっちの話も…」となってしまい、結果としていつも以上の長文になってしまった。ただ(手前味噌で恐縮だが)面白いブログになったと思う。
ぜひ一度、ヴァンズ凸のアナウンス広告の戦略について、僕の仮説が合っているのかそうでないのか、お聞きしてみたいと願う。
なお末筆となり恐縮だが、同社に対し好き勝手に評論してしまったこと、文中では「株式会社」を省略したこと、ヴァンズ凸と呼び捨てにしてしまったことを関係者の皆様に謹んでお詫び申し上げる。
(おわり)
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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