こんにちは。今回もご訪問ありがとうございます。
さて、今回のブログはアメリカの思い出話の一つを書きたいと思います。
渡米することが決まった時、大いに喜んだ僕ですが、最大の問題は英語のスキルでした。
学生時代に実に10年間も何らかの英語の授業を受けたにも拘わらず、リスニングとスピーキングのスキルは全くゼロに近いものでした。
そんな僕の最初の"英語での苦い思い出"は、はじめてアメリカの大地に降り立ったデトロイトの空港でした。僕はこの事を”バーガーキング事件”と呼んでいます。
なお、この話を一言で言うと「英語が聞き取れずに余計なお金を払う羽目になった」ということなのですが、それを長々と書いてます。
お暇つぶしに読んでくだされば幸いです。
バーガーキングデビュー
関西国際空港を発ち、約12時間で僕を乗せた飛行機(NorthWest航空)はデトロイト空港に到着しました。僕にとってはこれが初めてのアメリカ本土です。
ここから、ニュージャージー州にあるニューアーク空港へと乗り継ぐのですが、とにかくお腹が空いたのでターミナルで何か食べようと思ったところ目に入ったのが「バーガーキング」の看板。
当時、関西にはバーガーキングは無かったので、この時が僕の「バーガーキング」デビューでした。
この上の画像はサンプルですが、デトロイトの空港もこんな感じだったと思います。
この時、僕がカウンターでオーダーしたのがWhopper Jr. のセットメニューでした。
メニューボードにCOMBOのナンバーが書いてあるのと、正直なところWhopperの読み方が分からなかったので、シンプルに「No. 3, Please」とだけ告げました。
ちなみに、アメリカでは「セット」などとは言わず、その「セット」に該当する言葉では「COMBO」や「COMBO MEAL」を使います。
この時、カウンターの女性が短い言葉を返してくれたのですが、その言葉が聞き取れませんでした。
これが僕の「バーガーキング事件」の発端でした。
短い言葉なのに分からない
その言葉が分からないので、僕が「Sorry ?(えっ?)」と聞き返したところ、また何かを言われたのですが、やはり聞き取れません。
そこで頭の中をフル回転させてみました。
COMBO MEAL(セットメニュー)の場合、日本のマクドナルドなら「お飲み物は何になさいますか?」と聞かれるだろうなと勝手に想像し「Coke, Please」と返しました。
参考までに、Coke(コーク)というのはコカ・コーラの愛称で、アメリカでは一般の方もこの言葉を普通に用います。コカ・コーラの社員も社内では普通にCokeと言ってます。
彼女は少し怪訝な顔をしながら、また何かを言ったのですが、短い言葉ながらやはり何を言っているか全くわかりません。
そこで、もう一度「Coke, Please」と返したところ、彼女は手を両側に広げ、やがて諦めたように僕に料金を告げました。
なぜドリンクカップが2個?
その請求された金額はメニューボードに書いてある金額より少し高かったことに気づいたのですが、そのことについて確認したり、質問してみる余裕も勇気も僕にはなく、告げられたままにお金を支払いました。
その時、トレイには次の商品が並べられていました。
- Whopper Jr. ×1
- フライドポテト×1
- アメリカンサイズの大きな紙コップ×2
(下の写真と本文とは関係ありません)
このあとで分かった事ですが、アメリカのファストフード店ではドリンクはリフィルフリー(飲み放題)になっていることが多いです。
つまり、カウンターでは空の紙コップが出され、自分の好きなドリンクを自分で入れて飲むシステムなのです。
なので、僕がカウンターで「Coke, Please」と品名を指定してオーダーしたのは基本的に間違いだったようです。
さて問題は、大きな紙コップが2つ差し出されたこと。
レシートを見たところ「Whopper Jr. のコンボミール」と「単品ドリンク」が記載されていました。だから料金が少し高かったのですが、なぜこうなったのかが分かりません。
日本でなら「間違ってるよ」と言えるのですが、英語に自身が無いヘタレな僕はそのまま黙々と食べるだけでした。
謎が見えてきたかも
結局、何が何だか分からないままに僕は食事をし、何も入れなかった紙コップ1つをそのままトラッシュに捨てたわけです。
とにかく釈然としないバーガーキングデビューでしたが、このデトロイトでの謎はプリンストンで解明できることになりました。
それは、ホームステイ先のホストマザーが僕を現地のファストフード店(確かマクドナルドだったと思う)に連れていってくれた時のことでした。
その時の出来事を時系列に書いてみます。
最初(オーダー前の話)は本題から少し外れてしまいますが、述べたいことは日本のファストフード店とはかなり違う言葉のやり取りがあるということなので、よろしくお願いします。。
オーダー前
注文カウンター前で並び、自分の順番が来たときに店員さんが言う言葉は「Next!」だけです。これって日本語で言うと「次!」ですよね。
「Next, Please」と、プリーズを付けてくれるのはかなり丁寧な方です。
「Thank you for waiting. 」(お待たせしました)と言ってくれることはまずありません。
最初に「Next!」と言われた時はさすがにムカつきました(笑)
オーダー時
続いてカウンター前まで行くと「For Here? or To go?」と聞かれます。
ここが1つ目のポイントです。
ホストマザーと行ったファストフード店でこの言葉が聞き取れず、あたふたしていた僕を見てホストマザーが即座に「For Here」と言ってくれたことで事なきを得て、そしてようやくこの時にこの意味が分かりました。
- For Hereとは「店内でお召し上がりですか?」
- To Goとは「お持ち帰りですか?」
という意味で、僕らが普段よく使う「Eat in(店内で食べる)」「Take out(持ち帰る)」なんて言い方をしないのですね。
オーダーを終えたとき
そしてオーダーを終えたとき「That’s it?」と聞かれました。これは「以上ですか?(他にご注文はございませんか?)」という意味です。
これが2つ目のポイントでした。
「Is it all?」とか「Anything else?」と聞いてくれれば、まだ分かったと思いますが、「That’s it?」は日本語に直訳すると「あれはそれ」。意味が分かりませんよね。
しかも、疑問形になっていない疑問文ですから、僕が習ってきた英語の常識では理解できなかったのです。
この時も一緒にいてくれたホストマザーが「That’s it!」と助け船を出してくれたからその場をしのげたという次第です。
解明した謎
ここでようやく謎が見えてきました。
僕がデトロイト空港のバーガーキングで聞き取れなかったのは「For Here? or To go?」であったり「That’s it?」だったと思われます。
この日、ホストマザーとビッグマックを食べながら、彼女がファストフード店で言われた言葉の意味を教えてくれたことでようやく理解できたわけです。
おそらく、デトロイトのバーガーキングでコンボミールを注文した後、「That’s it?」と聞かれたところに、その言葉を理解しないままに「Coke, Please」と答えてしまったのでしょうね。
そうなれば2つの紙コップが出てくるのは当然ですよね。
日本では教わらなかった
渡米前に2ヶ月ほど某英会話学校で学びましたが、ネイティブ・アメリカンの先生はこんな日常で使う言葉は教えてくれませんでした。
その学校は、gonna(going to)やwanna(want to)などのネイティブがよく使う省略形やスラングは絶対に教えない学校だったので、このファストフード店での実際の言葉のやり取りも教えてくれなかったのかもしれません。
「For Here? or To go?」と聞かれた際、「To Go」と言わずに「Take out, Please」と返答しても通じますが、そもそも「For Here? or To go?」が聞き取れなかったり、その意味が分からなかったら返答のしようがありませんよね。
ブログ後記
というわけで、これが「バーガーキング事件」の全容です(笑)
思い返せば恥ずかしいことの連続でしたが、これを機にアメリカ人が日常で使う英語は僕らが習ってきた英語とは違うということを学べたことは良かったと思います
現地の人がよく使っていた言葉で印象深いのが「Are you all set?」です。
これは、直訳すれば「あなたは全て設定しますか?(しましたか?)」となりますが、実はそうではなく「準備はできた?」とか「もう終わった?」という時に使う言葉です。
パーティの締めの時にも幹事さんが「Are you all set?」と言えば「そろそろお開きの時間だよ」って意味になります。
「That's it?」も同じですが、独特の言い回しがあるってことなんですね。
こんな感じでアメリカに滞在した約10ヶ月の間、たくさんの人に出会い色んな言葉(スラングを含めて)を教えてもらいましたが、言葉とは奥深いものだと思うきっかけになったバーガーキング事件でありました。
(おわり)
ありがとうございました!